焔の旅 セイ&ライの過去話

たそ

[前編]

えんたびメンバーへの夕飯作りの途中...

セイ「ライ、そっちのボウル取ってくれないかな。」

ライ(ボウルを持ってくる)

セイ「ありがとう。

にしても良かったね。今日の寝床の洞窟が見つかって。

確か、昔君が居た洞窟もこんな感じか、これより広かったよね。」

ライ「コクコク))」

セイ「懐かしいねぇ...。あの頃は僕も一緒に旅をするなんて思いもしなっかったなぁ...」



ーーーーーーーーーーーーーーーーー




「君の腕は期待している」

「流石、君には頼んで正解だったよ」

これが僕に浴びせられる決まり文句だ。


僕の住むこの村には、16歳になると「男女共にハンターになれる」という

権利が発生する。

16歳になるまでは、ハンターになるための教訓を教えられる。

この村でいうハンターとは、周りに害を与えている化け物達を倒す事が仕事の一つの職業だ。

もちろん、ハンターは数ある職業の中の一つであり、他の職業も選べる。

だけどやはり一番人気はハンターだ。


僕もハンターに憧れてた子供の中の一人に過ぎない。

だけど僕には他の子には無い才能、ハンターの素質があったんだ。

僕の右腕はなんでも使いこなせる。ハンマー、ナイフ、斧、槍。どんな物でも使いこなし、たくさん化け物も倒した。

そして僕は、村一番のハンターになり「伝説の右腕を持つ男」といわれるまでとなった。


とは言え、なんでも出来るスーパーマンとまではいかない。

ぶっちゃけ、右腕以外は全然ダメ。

運動ではみんなの足を引っ張ってしまうし、瞬発力も鈍っている。

料理なんて下の下以下だ。

だけど、僕にはこの右腕があるからそのようなの穴は埋められる。


「それに、僕にはハンターの素質があるんだ‼︎」


そんな生活が続いたある日、一つの退治の仕事が届いた。

山奥の薄暗い洞窟にいる化け物を退治して欲しいとの事だった。

どうやら、情報を聞く限り、どうやらここらで一番強い化け物らしい。

いつもみたいにぱっぱと終わらせて帰ろうとしたが


今回はそんな甘い事言ってられなかった。


一緒に来た仲間が全滅してしまった。中には、僕の一つ前の村一番のハンターだっていた。

この化け物は...僕たちで敵う相手ではなかったんだ...


いや、僕にはこの右腕がある。

僕の力でこの化け物を止めるんだ‼︎


僕は剣を握り、化け物へ走った。

右腕を剣と共に上げ、一撃食らわせようとした時


生々しい音と共に、右半身に鋭い痛みがはしった


カツーン


鉄の音の先に落ちたのは


剣を握り締めたままの




僕の右腕だった。




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