忘れ物って意外とさりげないときに思い出す

京介

~序章~

自分らしさ。


そんな言葉をたくさん聞くようになったのは、ここ最近のような気がする。

いや、すべての人間がある年齢に達したときに聞く言葉なのかもしれない。


今、僕はそんな言葉の壁の前にただただ立ち尽くしている。

この壁を越えたい。越えたくて仕方がない。

でも越えることができない。

なぜかって?


それは、探しても探しても

この壁を越えるための攻略本が売ってないから。

この壁を越えるドラマのラストシーンが描かれた

台本がないから。


僕は、その言葉の存在さえも知らずに

ただただ楽しい学生生活をおくっていた。


おくっているはずだった。

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