第14話 剣を抱いて女王と逃げる


その切っ先に屈服するなら

魅力的な抵抗で

烈しく悪ぶってみせて

確実な刃を喉に当て

精一杯強がってみて


この耳を澄ませて聞こえる静かな興奮を

奪うのではなく与えるために振り下ろす勇気を

何度でもわたしに届かせて


炎もすべて

命の灯火も

軽々しく飛び越えて

その術に落ちた快感を

いくらでも惑わせる華麗な手段を

余すことなく発揮した

才能と努力の果てに

溺れたい 狂おしい期待


その戴冠に卑屈など似合わない

しがみついた眩しさに

わたしの手を取って


停滞する予感 内向の世代

最も強い光をあなたに

傲慢な態度をちらつかせ

強欲な聖戦を共に仕掛け

女王を栄華へ

連れていく


あなたと逃げる

その先に何があろうとも

あなたは這い上がる

わたしと剣を取って

光射すその頂に

運河を開け


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る