第11話 千の夜を抱きながら


別れの言葉を

女から先に言えるなら

優しさ 売り飛ばしてもいい

あなたから 逃げてね


愛情が逝くときは涼しくなる

千の夜を抱きながら

幸せな夢を見れた二人は

朝へと消えていきましょう

次の砂漠へ旅立つ あなたを

自由だと思い

私は権利を 手放す


天の川が流れた

きらめきの炎 散らして

天の川に帰った

銀の砂 人影が小さくなる

光の粒 冷たくてきれい


眠りについた街角で

もしも孤独を見つけたら

毎日 私が教えた

『アアシャク フィーキ《愛してる》』を

ささやいて 行ってね


ねえ 人は嵐のように

救われたり 

日照りに襲われても

ある日突然 助けられるの


天の川が流れた

きらめきの炎 散らして

天の川に帰った

銀の砂 人影が小さくなる

光の粒 冷たくてきれい


いつも左を歩いていた

あなたのまなざし オアシスのよう

星が生まれる前に

私という花を 水辺に挿してね


千の夜を抱きながら

幸せな夢を見れた二人は

朝へと消えていきましょう

星が生まれる 恵みとなるまで


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