学園魔法少女大戦
白井玄
1.魔法少女になりました
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私は特別になりたかった。
私は特別になれなかった。
私は特別だと思っていた。
ある日突然、特別な才能に目覚めて世界の平和を守るんだ。なんて夢見がちな私は、どこにでもいる普通の女の子だった。理解するまでに時間はかかったけど、世界にわかりやすい悪はいなかったし、アニメみたいにキラキラ輝く特別な力も存在せず、どこまでも現実の延長でしかないんだって、そう思い知らされた。
はずなのに、それは言う。
はっきりと、見せつける。
夕食を終えて自室に戻った私の前に、非現実は現れる。それは影絵のように真っ黒で、猫の輪郭をした異質な存在だった。
「やあ、ボクはクロ。マジカル・プリティコメット、キミを迎えにきたよ」
高校二年生になった私は、ついに幻覚と幻聴に悩まされるイタイ女子になってしまったらしい。
クロと名乗る猫のような何かは、顔がないのに笑っているように見えた。
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