見ると聞くでは
勝利だギューちゃん
第1話
歴史には、たくさんの人物が名を、残している。
でも、会ったことののある人物は、当たり前だがいない。
「こういう人だった」と、伝えられたはいるが、実際はどうかわからない。
見ると聞くでは、大違いなのだ。
もし、僕が歴史に名を残すような事を成し遂げた場合、
未来の人には、どう映るだろうか・・・
まっ、そうなってから考えよう・・・
ヒュン
なんだ?
なんだ?
目の前に、妙な乗り物が現れた。
これは、何?
ドアが開く。
「ふぅ、長旅は疲れるわ」
中から、女の子が出てきた。
何者?
「あのう、この時代に、徳田康永さんという方がいるはずなんですが・・・」
「その人物なら、僕ですが・・・」
「えっ、あなたがですか・・・うそ」
まじまじと見る。
「随分と、やさおとこですね」
ほっとけ。
失礼な女だ。
「ところで、君はだれ?」
女の子に訊く。
「あっ、失礼しました。
私は、津口和子です。
3000年の未来から来ました」
「何しにですか?」
「あなたに会いにです」
なんのためだ・・・
「歴史の試験で、好きな歴史上の人物について、調べろとありまして」
いつの時代も、変わらないな・・・
「で、あなたについて、調べる事にしたのですが・・・」
「それで・・・」
「歴史に残っているのとは随分違いますね」
がっかりしている。
僕、何か悪い事した?
「で、僕はどう残っているんですか?」
「たくましくて、強くって、カリスマ性があって・・・」
「人違いでは?」
「いえ、あなたに間違いありません。私の時代の技術なら、たやすいです」
冷やかしか・・・
「で、僕は何をするんですか?」
「それは、歴史が変わるので言えません」
無責任だな・・・
「なら、証拠を見せましょう」
「証拠?」
「あなたの、ルーツを見せてあげます」
「ルーツ」
「髪の毛、もらいますね」
抜かれた・・・
何かのケースに入れた。
操作している。
「モニターを見て下さい。
あなたのご先祖様が、映し出されます」
見てみる。
確かに、写真の残っている曽祖父までの姿があった。
「信じていただけました?」
まあ、そうしておこう。
「じぁあ、帰ります。がんばってください」
何をだ?
ヒュン
消えた・・・
なんなんだ?
まあいいや・・・
僕も、美化されているようだ・・・
歴史上の人物が、今伝えられている姿を見たら、どう思うか・・・
研究してみよう。
見ると聞くでは 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu
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