前のエピソード――十曲目：My Chemical Romance『Teenagers』

　つい先ほどニコニコ動画にログインし、何時もの様にニコレポを確認したのですが、何もないかなと思っていたところに思いっきりストレート食らいました。ガチ発狂です。ええ。

　何せ、考えうる限り最高のサプライズがあったのですから。

　MARETUさんが新曲を投稿したんですよ！　これを最高と言わずして何というのです！　もうテンション爆上がりですよもう……！

　本当はThe Offspringの『Why Don't You Get A Job？』の予定でしたが、変更です。彼らの事を書いている場合ではありません。彼らの事は後でいいんです。過去の曲については、いつでも書けるんですから。

　しかし、新曲のレビュー（でいいのでしょうか？）は鮮度が命。と言う訳で、MARETU（極悪P）氏の新曲『しう』です。

　……実を言えば、先日書いた『ゴキブリの味』の後、『しう』との間に、『ヤミツキ』という曲を投稿していたのですが、あれは最初に聴いた時のインパクトが微妙だったもので、『書かねば（使命感』とはならなかったんですよね。今は毎日五回は聴くくらい大好きな曲ですが。

　後、私が言ノ葉プロジェクトについて全くの無知なので、書こうにも書きづらかった、という事もあります。というか、言ノ葉プロジェクトの存在を『ヤミツキ』のYouTubeコメント欄で知ったくらいです。

　閑話休題。

『ヤミツキ』については機会があればまた書くとして、今回は『しう』です。

　最初に聴いた印象は『まさにMARETUさんだ』と言った感じ。私の趣向ドストライクの曲でした。

　冒頭から微妙に噛みあわない音色が耳を打ち、同時に心臓の鼓動音が響き……不気味な雰囲気はこの時点で完璧。『Suck It Up』と呟く女性の声が加われば、MARETU氏の世界観が十全に現れてきます。歌詞も相変わらずドロドロした不気味なもので、時折ぞくっとくる様な場面もあります。『最低の犠牲者に愛を』という強烈なフレーズが耳にこびりついて離れません。

　途中で挟まるおふざけパートも、他の真面目な部分の不気味さをより一層引き立てており、更にはおふざけパート自体もどこか暗い雰囲気を漂わせています。『ｿｲﾔｯｻｰ!』なんて弾幕が早々にできているのも、不気味さを誤魔化す為なのでしょうか、そうなんでしょうね。

　そして、曲のあちこちに現れる既発曲を思わせるSEや歌詞も、色々考えさせてくれます。『うみなおし』の踏切の音や『……に決められたあなたのすじみちに』とあえてひらがなで表記された『すじみち』と言う単語（『スヂ』との繋がりだろうか）、そしてそのまま直球で『うまれなおしの歓迎会』と『うみなおし』（や『うみたがり』、『うまれるまえは』）を連想させる歌詞。

　そもそもテーマが近しいので『うみなおし』や『うみたがり』などの曲は類似点があっておかしくないわけですが、どういう繋がりなのか考えるのは楽しいですね（私の考察が出来たら、もしかしたら追記するかもしれません）。

　ラスサビ前には様々な楽器がごちゃ混ぜになってメロディを奏で、次いで『どうしてこれをつくったの』『どうしてここまでほうっておいたの』と不気味さあふれる歌詞、そして一瞬のトーンダウンから、転調と共に入る強烈なラスサビ。

　その後オルゴールの様な音色がなり、それが段々とテンポを遅くしていき、そのまま息絶えるように終わる、まさにMARETUさんともいえる曲展開は、本当にぞくぞくします。

　また、恒例の文字で作られたサムネ絵にも、『うみたがり』の文字があったりと、色々ありそうです。

　MARETUさんの個性あふれる新曲、ぜひ一度聞いてみてほしいです。