バカなやつにバカといったところで何になる?
芥庭 深乱
第1話 バカ
ヘイ!皆さん御機嫌よう!
私の名前は葉山 華恵だ!
ところで皆さん聞いてください、私はよくバカだと言われるのです。だけど、別にいいと思いませんか?だってバカはある意味最強ですから。そうじゃありませんか?頭いいやつに限って無駄なことを考えて、悩んで、自爆するのですよ。それなら、バカでいた方が安全で、最良の策です。このご時世で生きていくためには、バカでいるのもまた策なのです。それを理解できないのか、バカだ、バカだと罵って何が楽しいのでしょうね?私にはわかりませんよ、全くね。そんなに罵る暇があるならもう少し自分の生き方を考えなさったらいいのに…時間の無駄遣いばかりする。
「華恵!」
そら、きたよ。例のバカだと罵る人間が。
「…何?」
「あんた次何かわかってんの?次化学だよ!移動しないといけないじゃんか」
…知りたくなった…わざわざ教えなくてもいいではないか。そしたら、「知りませんでしタァ」で済ませるのに。
「……知ってる」
「ほんと、バカだね」
はいでたぁ。バカ呼ばわり。ほんとこいつお得意だよな。バカ呼ばわりの常連っていうの?ムカつく。バカの底力いつか見せてやる。バカは世界で一番怖いことを思い知らせるのだ。
「えー、でここがそうなるから、こうなるんだよね」
化学の先生はこそあどしか使わない。黒板を見ていないとこの授業は死ぬ。この先生の教え方どうにかしてほしいものだ、教育委員会。くそっ、サボりたかった!
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