第1話前編「ぼうけんのはじまり」

‥‥‥

‥‥


「ん、んん~~~~‥‥」


うーん‥よく寝たなぁ‥あたしいつから寝ちゃってたんだろ?


「‥‥あたし‥?」



あたしって‥‥だ‥れ‥?


~~~~~~

♪(けもフレ本編より)風を感じて



わたしは、イエイヌです。


今日は、たまにはおやすみしたいなと思い、パークセントラルまでやってきました。


ここには、ヒトが昔々にいたというたてものがあるんです。ここは、わたしの大好きなヒトのにおいがするので、お気に入りの場所です。


また、わたしやヒトのいたおうちのあるばしょと風景が似ていて、風も気持ちがいいので、ヒトはこういう場所が好きなんだなと、ときどきおもいます。


きょうは、とても強く、ヒトのにおいがします。


「この匂いは‥もしや‥!」

‥もしかして、ヒトがいるのでしょうか!?

♪(けもフレ本編より)てんやわんや

わたしはわき目もふらず、ヒトのいたたてものにとっしんしていきました。


~~~~~~~~~~

♪(けもフレ本編より)不安な瞬間



「あれっ!?あれっ!?やばいやばい、なんにも思い出せない‥!」


「ううっ‥どうしよう‥」


「あっ!そうだ!鏡だよ!鏡ぐらいどこかにあるでしょ~!

あーあった、ほら!‥‥」


あたしの顔が写った。うんうん。緑色がかった髪、青のベスト、かっこかわいいあたしの目‥いつも通りだ。でも‥


「‥あはーん‥やっぱりあたしの顔みても思い出せないや~‥‥

はあ~、がっくり。」



「‥あれ?何これ‥スケッチブック‥?」

がっくりしたあたしの近くに、よく見る感じのスケッチブックが落ちていた。


「これ、あたしの‥かな?

ふむふむ、どれどれ。ぱらぱらり~と。」

めくってみると、たくさんのキレイな植物、建物、風景が描かれている。

裏表紙には、名前も書いてあった。


「と    もえ‥」

ともえ‥それがあたしの名前なのかなぁ?

うーん‥よくわかんないや!

♪てんやわんや

なんてことを考えていると、突然誰かの足音みたいなのがすごい勢いで近づいてきた!

え、何!?誰かいたの!?えっと、どうしよう?謝っとく?いやでも、意外と友達とかかもしれないし‥


あたしがアワアワしていると、勢いよくドアが開いた。


「ヒィ~ッ!だ、誰、ですかー‥?」

恐る恐る、ドアを開けた人の姿を見た。

音楽消

そこには、真っ白な服、真っ白な髪に、これまた真っ白な‥大きな耳に尻尾!?

目は私みたいに左右で色が違う、なんか犬みたいな女の子がそこに立っていた。

「えっと‥あなたは


「わはぁ!会いたかったぁー!!」

「うわわわっ!?」

その犬みたいな女の子は、あたしを見るなり飛んで抱き付いてきた。

うわぁ‥めっちゃもふもふだぁ‥間違いなく、このまま寝れるね。


「うふ、あはは!どうしたの急に抱き付いてきて?」

「あっ、すいません‥、私、ヒトと会えたのが嬉しいんですぅ!

いやぁ~、この日をどれだけ待っていたことか!」

急に立ち返って、今度は正座をした。もっともふもふしたかったなー。


♪(Rオリジナル曲 イエイヌちゃんのテーマ)


「私は、イエイヌといいます。あなたのお名前もお聞かせください!」

「あたしは‥ともえ‥っていうらしいんだ。」

「いうらしい‥とは‥?」

「あたし、実はね、自分の名前どころか、今まで何をしてたのか、どこにいたのかとか、全然思い出せないんだ‥。」

「そうなんですか‥聞いてしまってごめんなさい、ともえさん‥」

「いいのいいの!あたしはあんまり気にしてないし、何よりイエイヌちゃんが来てくれてあたしは‥すっごく安心したの。」

「安心‥ですか?」

「うん、だって、最初はあたしひとりで、記憶もなくなってて、ものすごい不安で、どうしたらいいか分からなかった。

でも、イエイヌちゃんがきてくれた。見た感じスッゴいいい子そうだし、かわいいし!だからあたしは安心できたんだ。」

「ともえさん‥!ありがとう、ございます‥

初めて会ったのに‥なぜ、そんなに優しくしてくれるのですか?」

「え?初めて会ったからこそ、優しくするんだよ。人は''だいいちいんしょう''ってヤツがじゅーよーだからねぇ。」

「だいいちいんしょう‥ですか?」

「そう!あたしがイエイヌちゃんと初めて会ったとき、イエイヌちゃんのことをかわいいー!とか、いい子だなーとか思ったのを、だいいちいんしょうっていうんだ。」

「へえ!そうなんですか!教えてくれてありがとうございます!

あ、そうだ!ともえさん、私のおうちに来てくれませんか?」

「あぁ!いいね!おうち‥おう‥ち‥‥」

おうちの事を考えてたら、なんだか頭がくらくらしてきた‥なんでだろ?

♪洞窟の奥


おうち‥帰りたいな‥。



「ど、どうしましたか!?ともえさん!」

「‥帰り‥たい。」

「?」

「お家に、帰らなきゃ‥!」

「ともえさん!しっかりしてください!」

「‥‥え、あ!ごめんごめん!あたし‥どうかしてた‥?」

「大丈夫です。大丈夫ですから。あなたは私がお守りします。

私のおうち、いきましょう。」

イエイヌちゃんは、私を撫でながら、慰めてくれた。

「そう、だね。うん。よし!私はもう大丈夫!」

「それならよかったです!さ、いきましょう!」

音楽消

さっきのくらくらは、なんだったんだろう?

あたしはなんで記憶がないんだろう?

あたしって、結局誰なんだろう?

謎の建物の帰り道を歩きながら、そんなことを考えていた。


でも、気にしちゃいられないよね!だって、これからお家に帰るための、大冒険が始まるんだから!


あたしは期待で胸を一杯にしながら、謎の建物の出口であろう、ドアを開けた。



一話前編、終了です。

いかがでしたでしょうか?

自分なりの優しいながらも不穏な世界を演出してみました。

結構ガバガバで急いで書いた部分もちょいちょいありますが、指摘していただければ修正しますので、じゃんじゃんコメントでも何でもどうぞ!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る