カルセドニーダンジョン㉔
私の進化の過程はわかったけど、進化で力を使い果たしたのか、どっと疲れが出たな。
あっ!そうだ。こんな時こそ、神聖魔法だな!
私は早速小さな声でヒールを唱えた。
いつもの淡い光が、私を包むと共に疲労感が一気になくなるのを感じた。
くぅ~効くぅ~~、やっぱり疲れた時は熱いお風呂もいいけど、いまは神聖魔法が一番だね!っとちょっと考えてる事が、オヤジ臭くなちゃったけど、だけど神聖魔法は本当に疲れに効くね。癖になりそうだわ。
さてと、疲れもとれたし、せっかく進化したんだから、忘れない内にステータスチェックをしないとな。
あんなくそ不味い思いと痛い思いをして進化したんだしね。
それじゃあ、さっそく「鑑定」っと
鬼塚 りん
種族 オーガ? 男
レベル 250/300
状態 快調 【オリハルコン】【鋼メンタル】
剣技 神聖魔法+ 鑑定+ 進化
鑑定した結果……相変わらずツッコミ所が多い鑑定結果だよ!!
まず最初に思ったんだけど、オーガはわかるよ。
この世界にオーガが居る事はナユナやシンシアさんに聞いたし。
それにハーフオーガのリースにも会ったから、オーガが居る事は知ってるよ。
だけど!オーガ?ってなに!なんで、オーガの隣に?が付くのさ意味がわからないよ!
まだゴブリン新種の時の方がわかりたくないけど、でも何となくわかる気がするよ!ピンクのゴブリンだったしね!でも?ってなんなのさ!!
とりあえず、考えてもわからないから、次に行くか……またなのか、またレベルの隣に次に進化するレベルが、出てるよ……それも次はレベル300か、前よりはマシかな、あと50上げればいいだけだから……って!違う違う!考えるのをやめたくて、普通に受け入れようとしたけど。
まだ、オーガ?のあとがあるって事なのって言うか!それだったら、一気に進化させてくれよ!マジで!あんな罰ゲームで食べさせられるような飴を食べさせたならさ~!
最後にわぁーい(棒)性別がオスから男になってる……わぁーい、うれしいなー(棒)
はぁー、虚しい……進化したのは嬉しいけど、もしかしたら、進化した時に元の性別に戻るかなって淡い期待をして、口調はずっと前世の間までいたけど、やっぱり無理だったのか。
まぁ~うすうすは感じてたんだよね。ダメだろうなって事がさ、だって駄女神が作ったシステム出しね。
性別もオスから男に変わったって事は、次の進化でも性別は変わらないだろうし……
う~ん……うん!そうだ!ウジウジ悩んでてもしょうがない!決めた!!
私は……いや、俺は今世は男として生きるぜ!!こんな口調で今後は行こうか……行くぜ!ちょっとなれないけど、少しづつなれて行こう。
さてと、3人にも俺の決心を聞いてもらうか。
「2人ともあとクロにも聞いて欲しいんだけど、わた……俺の決心を」
「「えっ?俺?!俺の決心って!?」」
「ふぇ……ふむ、りんよ。その口調はどうしたのだ」
やっぱり、突然この口調だと、びっくりするかって言うか、いつも思うけどクロ、ビックリする時は素が出るな。
そんな事にちょっと笑ってしまったけど、俺は、3人に今まで悩んでた事とこれからは、ちゃんと男として生きる事を3人に話した。
「りんさんが、そんなに悩んでたなんて、わたしにも相談して欲しかったです。でも、嬉しいです。だって心の内をわたし達に話してくれたのが」
ちょっと涙目だけど少し嬉しそうにナユナが言ってくれたけど、泣かせるつもりは無かったのにな。そんな事を思ってたらシンシアが
「私もりん君が心の内を話してくれて嬉しいわ。そしてりん君が決心したって事はわかったわ!応援するわね。でも、ちょっと残念ね。前の口調も好きだったんだけどね」
「シンシアさん、そう言われると決心が鈍りそうになりますよ~」
「うふふ、冗談よ。今の口調も素敵だからね」
「うむ、りんよ。我はこれからも力になるぞ。困った事が合ったら、我に話してみるがいい」
《絶対だよ!絶対だからね!》
クロ~いい感じの事言ってるのに、相変わらず副音声のせいで締まらないな。
《これからもよろしくな。クロ!》
と言ってみたけど、男らしい口調って言い慣れてないから、ちょっと恥ずかしくなって来たな。
うん!ゆっくり慣れて行っと、今世はまだ長いしね。
あっ!そうだ。あとレベル50で新たなる進化ができる事を話忘れてたけど。
でも、まぁいっか、進化してイケメンになれたし。
それに、オリハルコンを売れば贅沢は出来ないだろうけど、だけどお金を稼がなくても安定した生活は出来そうだから、シンシアさんが居る。ジルコンの街でのんびり暮らそうかな。
そんな今世の人生プランを考えていたら
「このダンジョンの真の最深部にも来れたし、りん君も無事に進化出来たし、宝物も手に入ったし、このダンジョンから脱出しましょうか」
脱出かって事は来た道を戻るって事か……そう言えば来た時にあった魔法陣が消えてるんだけど。
どうやって帰るんだ。俺たち?!
「シンシアさん!来た時の魔法陣が消えてるんですけど!」
「あぁ、大丈夫よ。また魔法陣を起動すれば元の場所に戻れるわよ」
そう言ってシンシアさんが魔法陣を起動しようとしたけど
「あれ?!魔力を流せば起動すると思ったんだけど、起動しないわ!?」
「起動しないって事はここから、脱出出来ないってことですか!?」
「何とか、魔法陣を解析してみるけど出来なかったら脱出出来ないかも……いや、何とか解析しないと」
えぇ!?ここから、脱出出来ないかもしれないのか!?
まさか今世はここで世を過ごさないと行けないかもしれないって事かよ!
一応、水はあるけど食料はナユナの空間魔法の中のとシンシアさんのアイテムboxの中にしかないじゃないか!
えっ?って事は今世の死因は餓死になるって事、いや待て考えるんだ……そうだ!前にマラカイトでクロが道が無いなら、壁を切って作ればいいって言ってたよね。
よし!いざとなったら壁を斬って斬って斬りまくるぞ!そんな脳筋的な考えを私がしてたら呆気なく
「魔法陣が動かぬか、ならば宝の箱の中にボタンがある。それを押せば新たな魔法陣が起動するだろう」
ボタンなんてあったけ?と思いながら宝箱を覗いて見たら、確かに小さな出っ張りがあった。これがボタンか小さ過ぎてわかりずらいわ!
いつも思うけど、不親切で分かりにくすぎるわ!
まぁ、こんな所でグダグダしてても帰れないから、俺は早速ボタンをポチッと押した。
ガコっと音がしたと思ったら、宝箱が地面に沈んでいき、そして宝箱が完全に床に沈んだら、沈んだ宝箱があった場所の床の上に魔法陣が出現した。
「うむ、この魔法陣なら、ダンジョンの入り口に行けるだろう」
「それって、来た道を戻らなくてもいいって事?!」
「うむ、先程からそう申しておる」
「そう言うの早く言ってよ。クロ」
でも、良かった。これですぐに外に出られるな。
久しぶりに太陽が拝めるぞ、もしかしたら夜かも知れないけどな。
それじゃあ、さっさと魔法陣の上に乗って出口に行きますか。
「ナユナ、シンシアさん、魔法陣に乗って早くダンジョンを出ましょうか、久しぶりに外の空気吸いたいし」
「そうですね。わたしもダンジョンを出て久しぶりお風呂に入りたいです」
「私も早くお風呂に入りたいわ。じゃあ行きましょう」
2人がお風呂の事を話していたから、俺も早く風呂に入りたくなってきたな。
「それじゃあ、魔法陣に乗りましょうか」
俺がそう言うと2人とも頷いて魔法陣の上に乗った。
俺達が魔法陣乗ったら行きと同じで魔法陣が光りだし、さらに強烈な光となり、そして浮遊感を感じたと思ったら、周りからザワザワと沢山の人の声が聞こえた。
『 なんだ今の光は』
『 おい……これって』
『なんでこんな所に魔法陣が出現してるんだ!』
『あれは、ダンジョンマスターじゃないか』
どうやら、俺達はダンジョン入り口に戻ってこれたみたいだ。
だけどこれは、目立ち過ぎではないだろうか……うん!目立ってるね!沢山の人が俺達を好奇な目で見てるし。
あと、前回の教訓を活かして今回は舌を噛まないように口を閉じたおかげで舌を噛まなかった。
良かった。舌を噛むのって地味に痛いからね。
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