カルセドニーダンジョン㉓


駅のホーム?


あぁ、そうか私、電車を待ってるんだった。

次の電車が来る時間は5分後か、5分も待つのは暇だわ。

スマホで、今ハマってるゲームでもしながら待ってるか。

あっ、×××から、チャットが来てる。気が付かなかった。

チャットの内容は、今度の土日辺りでも、みんなでお泊まり会でもしないかって言う内容だった。

私は、『 土日暇だったから、OK』って返信をしようとしたら、突然、浮遊感に襲われた……



◆◆◆



『…は……意……もど………』


『……大丈……起……て……』


私は、誰かの呼び声が聞こえて目を覚ますと。


「あぁ、目が覚めたのね。良かった。私達、心配したのよ!」


「良かったです。何度呼んでも、起きなかったから、このまま目が覚めないんじゃないかと思いました。本当に良かった!」


あれ?この2人は?ん!?

そうだ!この2人はナユナとシンシアさんじゃないか!

何寝ぼけてるんだ!私!


私は、まだボーッとする。

頭を振って、私は意識を覚醒さて心配させた。2人に謝る。


「なんか、心配かけちゃって、ごめんね。そう言えば、私どのくらい気絶してたの?」


私は心配をかけた2人に謝りながら、どのくらい気絶してたのかを聞いたら、ナユナとシンシアさんが興奮しながら、私に迫ってきて


「りん君!そんな事はいいのよ!それより、急いでこの鏡で自分の姿を見て!」


そう言うとシンシアさんが私に強引に鏡を渡してきた。


私はそれを受け取ってシンシアさんが言うように自分の顔を鏡で見て見たら……



「なんじゃあ!これはーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」



鏡の中に居たのは、鬼瓦だった……うわぁ、家をちゃんと護ってくれそうな……そんな顔が鏡に映っていた。


「…………」


「あの、りんさん?」


「えっと、りん君?」


「……カッコイイ」


「「え?!」」


『今のは聞き待ちかえかしら』


『 多分そうだと思います』


2人が何やら、コソコソと何か話してるのは気になるけど。


それよりも……うわぁ!何これ、ちょっと厳ついけど、超凛々しいじゃん。

私は嬉しさのあまり、色々な角度から、鏡を見た。

うん!どんな角度から見てもカッコイイわ~

ヤバい、私はイケメンに進化してしまったみたいだ!!


「ナユナ、シンシアさん、これって私ですよね!?」


一応、確認の為に2人に聞いてみた。


「あぁ、うん、そうよ。でも!かなり強面な感じだけど、ゴブリン顔よりはましだと思うわ。そうよね。ナユナ」


「はっはい、わたしもゴブリン顔よりはいいと思いますよ」


えっ、ゴブリン顔よりはましって、もしかしてカッコイイと思ってるのは、私だけって事?!


そんな事を察した2人が


「あの!わたしはりんさんがどんな姿でも、受け入れられますから!」


「私もよ。りん君がどんな姿でも、大丈夫よ!」


えっ、これって、もしかして慰められてる?


《オイラはカッコイイと思うよ。りん、なんか強そうだし》


《クロ~流石だよ!やっぱりカッコイイよね!今の私って!》


《うん、凄くカッコイイよ!りん!》


はぁー、やっぱりわかる人?剣?にはわかるんだね。このカッコよさ!


そして、鏡をよく見ると……


なんと!ツルツルだった頭に顎上くらいの長さの髪が生えてるし!

これは、嬉しい!今まで、頭ツルツルだしゴブリンだったから、目立たないようにフードを被ってたけど。

これなら、堂々とフードを被らないで居られる。


そして、進化してゴブリンじゃなくなったから、あのペストマスクともおさらばだ!やったぜ!


「ナユナ!シンシアさん!私これからは……マスクを付けなくても堂々と街中を歩けますよね?」


「はい……りんさん、大丈夫ですよ……だから、泣かないでください」


「えっ?あっ……」


私は自分の頬を指でなぞったら頬が濡れていた。

どうやら、私は知らないうちに涙を流してたみたいだ。


「あれ、嬉しいのに涙が止まらないや……ハハハ……ちょっと待ってね……いま涙を止めるから……」


そんな私を見ていた、シンシアさんがハンカチを出していきなり私の涙を拭いてくれたけど、私は恥ずかしくって


「シンシアさん!自分で拭けますから」


「りん君、じっとしてて、本当はいままで辛かったのね。いままでよく頑張ったわね」


そう言うとシンシアさんは、私をそっと抱き締めてくれた。

そして耳もとで「いまは泣いてもいいのよ」と言ってくれた。

その言葉を聞いたら、止まりかけた涙がまた溢れ出して止まらなかった。


しばらくシンシアさんの腕の中で泣かせてもらったけど、しばらくして、少し冷静になったら、ちょっと恥ずかしくなったのでシンシアさんに


「すみません。シンシアさん、涙も止まったので、そろそろ解放してください」


「そう?もうちょっと私の腕の中に居てもいいのよ」


と言って名残をしそうに私を解放してくれた。

私は恥ずかしさを誤魔化す為に私が気絶してる間の事を聞いてみる事にした。


「そう言えば、私が気絶してる間、私ってどういう風になってました?」


「あー!そうよ。言い忘れてたわ。りん君が飴を食べた後、突然動かなくなって、慌てて私達がりん君を起こそうとしたら、そしたら突然りん君の身体が発光しだして、光が消えたと思ったら、今の姿になったのよね。あれにはビックリしたわね。流石女神の奇跡のアイテムだわ!」


少し興奮気味にシンシアさんは言った。


「えぇ、わたしも驚きました。それから、しばらくりんさんが目覚めなかったので、りんさんが目が覚めるまで呼び続けていたんですよ」


そうだったのかってそれよりも進化って細胞とかが動いて徐々に変化するのかと思ってたら、発光して進化したのか以外に進化ってアバウトなんだな。



それにしても、冷静に自分の身体を見たみると、少し薄くなったけど相変わらず肌の色がピンクなんだな、それに髪の色もピンクだし、もしかして、私ってピンクの呪いにでもかかってるのかな……いや~まさかね?

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