メッセージ

勝利だギューちゃん

第1話

緑の草をふとんにして、手のひらを枕にして、眠る、

そよかぜが、気持ちいい。


上には、青天井が広がっている。


「あの雲、おまんじゅうみたい」

「あの雲は、おさるさん」


子供の空想力は無限大。

大人には、考えもつかないことが、見えているようだ。


自分もかつてはそうだったはずだが・・・

しかし、いつのころからか、忘れてしまった・・・

といか、無くしたのだろう・・・


隣で寝ている、子供たちも、

いつかは、無くしてしまうのだろうか?


できれば、大切にしてほしい。


雲は不思議だ。

その時々におうじて、形を変える。

そしてそれは、見る人によって違う。


青いキャンバスに、神様が描いた、

一種の、アートなのかもしれない。


ありがりな、話だが・・・


「パパ」

隣いる、娘が声をかけてきた。


「どうした?」

「パパは、あの雲、何に見える?」

「どれ?」

「あれ」


ひとつの大きな雲を、指差した。


「あれか・・・あれは、おかめのお面かな」

「すごいね。わたしは、ママに見えたよ」

ママか・・・


ママ・・・

つまり、俺の奥さんだが、天国へ旅立ってから、数年が経った。


娘も、受け入れる事が出来たようだ・・・


「パパ」

「何?」

「ママは、絵が下手なんだね」


確かに上手くはなかったが、個性的だった。


妻からの、メッセージかもしれない。

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