第361話披露宴は忙しい

結婚式の後は披露宴。

披露宴も勿論、合同で城で行われる。


控え室で白無垢を脱ぎ取り敢えず普段着に着替える。

城で今度はドレスに着替えねばならない。

「面倒くさいよなあ。」

「教会から城までちょっと離れているものね。」

キャサリンもウェディングドレスは違うやつに着替えるそうだ。


着物にするか悩んだがドレスが無難と言う事でルイスは白のタキシード私もウェディングドレスの派手じゃ無いやつにした。


車で移動。

来賓を待たせ過ぎてはいけないので本当にバタバタ。


「飯は食えるのかな?」

「食えたら良いよなあ。」

ルイスも私も食べたいタイプ。

「吉宗さんと光国さんに夏目さん来てたな。」

「うん。めっちゃ話したい。」

さっき教会で見付けたのだが結婚式では話す暇も無かった。

アルマーニ王子達やダミアンとエリザベスさんも居た。

話したい人が沢山だ。

挨拶回りは何時ものパーティーと同じ感じらしいので多分、話す機会はありそう。


城へ到着し急いで着替える。

キャサリンと着替えは同室にして貰った。

やっぱり一緒が良い。


「おー!!キャサリン、そのドレスも綺麗だー!」

マーメイドタイプの大人っぽいドレスが凄く似合う。


「私もルイスも白の特攻服でも良かったんだけどなあ。流石に止めたけど。」

と言うとキャサリンは爆笑していた。


「ルナリー達らしいけどねぇ。でも、ドレス可愛いわよ。フワフワで似合っているわ!」

キャサリンはそう言うがなあ。


「さあ。いよいよ挨拶回り開始よ。」

「了解。」

着替え終わり部屋を出るとルイスと王子が待って居た。


「おー!ルイスかっこいい!」

着物も良いけどタキシードも良いなあ。

王子も衣装替えしていた。

ついついお互い褒めあってしまう。急がないといけないのだが。


披露宴会場は城の1番大きいパーティールーム。

王子の誕生日とかで使われる場所だ。


王家の使用人が披露宴会場の扉を開けてた。

拍手が起こる。クラシックの生演奏で入場する。


各国の王族達が上座。我が国の財閥達そしてノネットメンバーはクライスは財閥だけど下座に居た。


私達は会場の1番前の席に座る。

良くある披露宴の感じで見られる側だ。


先ずは王様の挨拶から披露宴は開始された。

乾杯の挨拶はアレクサンダー王子が行った。


そこからは料理が運ばれて来て晩餐会と変わらない感じだ。


「少し食べたら挨拶回りですよ。」

王子が全員に挨拶するから披露宴中に終わりませんよと言う。


少しかぁ。

前菜でこんなに美味いのになあ。全部食いたい。


「じゃ、僕らは此方から。ルイス達は逆から回りましょうか。」

王子が言うので仕方なくご挨拶へ。


「本日は御来席ありがとうございます。」

「ありがとうございます。」

知らない方も勿論居るがご挨拶。そこの所はルイスにお任せ。


「アンドレ王子!アルマーニ王子!デイビス王子!」

「披露宴にお越しいただきありがとうございます。」

ここは長くなりそうだ。


「本当にお綺麗です。お美しい。」

「ルイス様、ルナリー様おめでとうございます。感動しました。」

「お会い出来て良かった。本当にお声かけいただきありがとうございます。」

形式的な挨拶が済むとテンションアップな3人と話しが弾みまくる。


確かにこれは終わらなくなりそうだ。

名残り惜しいが6月にはパルドデアコンサートもあるので次の方へご挨拶。


その繰り返し。


「やっと半分だー!」

「料理美味いか?」

ノネットメンバーの席に辿り着いた。

「おめでとう!料理美味しいよ。」

「ルナリー綺麗!良いなあ結婚式。」

暫し雑談を楽しむ。

王子とキャサリンも半分まで終了。


「お疲れー。」

キャサリンも王子もなかなか大変そうだ。

私達より来客全員と話題がありそうだしなあ。

「終わったら食べましょうね。」

「うん。腹減ったな。」

では、後半分。



此方側はプラゲ国にアーシェンバード。


『吉宗殿!ようこそいらっしゃいました。ありがとうございます!』

『光国さん、夏目さんありがとうございます!』

やっとプラゲ国の皆様とご挨拶。


『ボードウェンは良い国じゃなあ。』

吉宗殿が嬉しそうにそう仰った。

『招待されたホテルに先に寄ったのじゃが素晴らしい持て成しだったぞ!』

光国さんもパルドデアより良いとボソッと言われた。

今回の各国の王族達はボードウェンで1番の高級ホテルにお泊まり頂く事になっている。

通常は城にお泊まりなんだろうけど今日は結婚式なのでね。

王子とキャサリンは初夜だしな。


プラゲ国の皆様への挨拶を終えて次へ。

知らなかったのでルイスにお任せ。


そしてアーシェンバードのお二人さん。


「お綺麗ですわ!」

「おめでとう!ルイスにルナリー!」

相変わらず仲良しそうで良かった。


「6月のコンサート宜しくな。」


「勿論。ラジオで宣伝するよ!」

アーシェンバード公演も確定している。


今年は忙しくなりそうだ。


「終わった。」

「こっそり食うか。」

王子達より先に挨拶回りが終わって席に戻った。


やっぱり王族って大変そうだー。


挨拶回りは晩餐会時間ギリギリまでかかった。

最後に王子が挨拶。

私達も立ち上がり一緒にお辞儀をした。


温かい拍手に包まれて退場となる。


この辺は日本の披露宴ぽくて良いなあと思った。


退場後はもう一度着替える。

今度はウェディングドレスでは無いパーティードレス。


国交や財閥同士の挨拶中なので今のうちにお見送りの為だけに着替える。

何とも忙しい。


着替え終わる頃にぼちぼちと皆様が会場から出てこられる。


「ありがとうございました。」

「是非、また外交で。」


握手にハグにご挨拶。


楽しかったが何時ものパーティーより疲れた。

来賓の皆様には御満足頂けたようだし無事に結婚式と披露宴終了だ。


「終わったー。」

会場には勿論、ノネットメンバーは残っていた。


「やっぱり皆と一緒が良いわね。」

「本当にありがとう。キャサリン、食べますか!」

うんうん。私らも。


結婚しても私達の日常って変わらなさそうだなあ。

王子とキャサリン見ていても思う。


ご飯食べたら新婚さんの為に早めに帰宅するかな。

キャサリン、王子!お幸せに!


勿論私とルイスもこれからも幸せに生きていくぞ!

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