第352話ルナリーの誕生日 Byルイス
ボードウェン国の成人は18歳。
今日は愛するルナリーの誕生日。と言っても朝からミサコンサートはあるし。成人の日の誕生日って奴は基本的にパーティー開いて人を招待するか家族だけでパーティーをするかの2択。
勿論、うちは面倒だから家族だけで祝う。
最近は初めての飲酒に醜態を晒す事になりかねないので家族だけでパーティーをする財閥が多い。
実際にクライスもキャサリンもそうしたし俺もそうした。でも、飲酒はまだだ。ルナリーと一緒にって決めている。
本当に失敗するとジェファーソンの様に虎に成るからなあ。気を付けねーとな。
我が家に帰宅し取り敢えずちょっとまともな服に着替える。
「こんなもんか?」
ルナリーも何時もよりお洒落なワンピース姿が可愛い。
「うん。似合うぞ。」
そう言うとフフっと照れた笑いを見せるルナリーが益々可愛い。
ダイニングルームに入ると親父とお袋もまともな服を着て待っていた。
「よーし!誕生日パーティーするかー!」
親父が張り切って最高級と言われる俺達の生まれ年のワインを持ってきていた。
ワインに合う様な前菜が既にテーブルには並んでいた。
ワインを開けてグラスへ注ぐ。
綺麗な赤ワインだ。
「では、ルナリー!誕生日おめでとう!」
「おめでとう!」
「ありがとうございまーす!」
ゴクリと1口。大人の味だなあ。
前世じゃワインとか飲んだ事なかったしな。
まあ、飲んでビールか焼酎だ。
「なるほど。ちょっと酸味があってでもまあ、美味いな。」
ルナリーはうんうんとそう頷いた。
「この年のは割といけるぞ。まだ大人の味にはついていけないだろ?」
親父はそう言う。
「んー。確かになあ。美味いと言えば美味い。」
もう一口。香りは良い。
「当たり年で良かったじゃないか。たまにハズレもあるからなあ。」
お袋はもう飲み干した。
「こっちが口に合うかもなー。」
親父がワインの次に出したのはシャンパン。
まあ、色んな酒が我が家にはあるな。
「飲んでみたい!!」
「俺もー!」
次はシャンパン。フランスでは無いがフランスとイタリアの中間の様な我が国はシャンパンも特産品。
「あー。炭酸が美味い。」
「うん。何かこっちが好きだ。」
俺もルナリーもシャンパン派な様だ。
おっ。少しばかり顔が熱くなってきた。
これが酔うって事だな。
ルナリーもちょっと赤い。
「まだ大丈夫だよな?」
「うん。まだいけるかな。」
流石、良く飲む親父もお袋もまだ顔色変わってない。
シャンパンはちびちび飲みながら俺達は晩飯タイム。
「おー!ハンバーグ!」
「嬉しいー!」
誕生日はもっと豪華な飯ってのが財閥的なのかもしれないが。こう言う普段食えない物がめちゃくちゃ嬉しい。
ルナリーもハンバーグにテンション上がっている。
肉汁ジュワーって感じで柔らかくて美味い。ソースはデミグラスソースで。ご丁寧にトリュフとか乗ってる。そこは料理人的に金を掛けたかったんだろう。
そのハンバーグを勿論、我が家は白ご飯と食べる。
「やっぱり白米だよなあ。」
美味いとルナリーがご満悦。
ルナリーが喜んでくれるのが1番嬉しい。
食事が終わり親父とお袋が徐にプレゼントを持ってきた。
「え!?良いんですか?」
ルナリーは驚いた様に満面の笑みを浮かべた。
「わー!特殊警棒だー!」
新作だぞ!っと言われ益々喜んでいる。
「俺は後で渡すから。」
部屋でゆっくりと。
俺もルナリーも結構、酒は強いみたいで特に酔いはしなかった。沢山は飲んでないけど。
親父とお袋はまだ飲んでる。
「風呂入るな。」
ミサコンサートも頑張ったし今日はルナリーとイチャイチャしたいなあ。
そんな事を考えながら風呂に入る。
特殊警棒喜んでたなあ。やっぱりあの手の方が良かったのか?
でも、今回のプレゼントは自信がある!
風呂上がりルナリーに先に部屋に上がると告げた。
待ち遠しい。
冬休みは毎日一緒に居られる。
卒業は何か寂しくはなるんだがルナリーがずっとこの家に居るって言うのが寂しさを打ち消す。
俺って幸せ者だ。
「ルイスー!」
ルナリーが笑顔で入って来た。
ポンッとベッドに乗ってくる。
「ルナリー。誕生日おめでとう。」
ギュっと抱き締める。
「ありがとう。」
「プレゼントがあるんだ。」
「私もクリスマスプレゼント用意したぞ。毎年悩むんだよなあ。」
何でも持ってるじゃん?と不貞腐れる様な顔をする。それもまた可愛い。
「今年はこれだー!」
ルナリーのプレゼントは割と小さめで。でもラッピングは自分でした感じ。何だ?
「財布だ。」
匂いを嗅ぐ。
「革財布か。結構しただろ?かっこいいなー。」
シンプルだけど小銭入れも札入れもあるし。俺好みだ。
「手作りだ!!」
「まじか?!」
まじだ!と言うルナリー。流石だな。全く何時もいつもサプライズだ。
「業務用ミシンでカタカターとな。」
と自慢げにそう言った。
「ありがとう。大事にするよ。」
本当に嬉しくてルナリーの頭を撫でる。
フフっと照れた様に微笑むルナリーが可愛くてチュッとキスをした。
「照れるじゃねーかよ。」
俺も照れる。
さて、俺からのプレゼント。
「はい。ハッピーバースデー。」
「何?鍵?」
ルナリーは首を傾げた後に目を大きく見開いた。
「まさか?単車?」
「正解!さっさと免許取れよ!」
「まーじーかー!金掛けすぎ!」
ちょっと怒られた。まあ、高いけど。今までのレコードやコンサートの金貯めてたし。後は貯金。
「ありがと。」
ガバっと抱きついてきたルナリーを抱き締める。
「全く、本当にこれだから金持ちはさあ。」
とブツブツ言っているけど。
「でも。なるべく俺の後ろに乗って欲しい。そこは・・・なんと言うかな。」
ちょっと悩んだんだ。2人でツーリングも楽しいだろうけど2人乗りがやっぱり好き。
「うん。そうする。」
ルナリーはギュっと抱き締め返してきた。
そのまま押し倒す。
電気消さない。顔を見たいから。
恥ずかしがる顔も。
喘ぐ顔も見たい。
「電気消せ。」
「嫌だ。」
「あっ・・・。もう。恥ずかしいのに・・・。」
たまらん。許せ。
可愛い過ぎる!!
誕生日おめでとうルナリー。
来年も再来年もその先もずっとお前と誕生日を迎えて祝っていくよ。
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