第333話プラゲ国からの電話

ジェファーソン様お電話です。

と文化祭から帰宅して寛いでいたら光国殿から電話だと言う。


プラゲ語・・。久しぶり過ぎる。ちゃんと話せるかなあ。英語でも良いだろうか。


「もしもし。お久しぶりです。ジェファーソンです。」


「お久しゅう。ジェファーソン殿。光国じゃ!!ちょっと聞きたい事があってのお。」

と何時もと変わらず元気で明るい光国殿の声だ。


「はい。大丈夫ですよ。何ですか?」


「ジェファーソン殿。ラジオとはなんぞや?」

僕は返答に困ってしまった。


「えーと。電波って解りますか?」

取り敢えず英語で説明出来るかなあ。


「・・・?解らぬ。すまぬ。その単語の意味が。何と言う意味だったか。」

ですよねー。しかし、いきなりラジオとはプラゲ国も輸入するのかな?そう聞いてみるとやはりそうだった。


「パルドデア国にはなかなか逆らえぬゆえ。しかし意味が解らぬ物でなあ。」

そういう事か。

「少し待ってて下さい。折り返し電話しますね!!」

そう言って電話を一旦切った。


キャサリン?会長?やはりルイスだな。

家から城まで近いし1人でバイクで来られるし。

キャサリンに会いたいけれど夜に呼び出しって婚約者に対しても何か親のウケが悪くなりそうだし。会長も運転して貰わないといけない。


ルイスに電話すると直ぐに城に来てくれた。


「文化祭お疲れさん。まさかプラゲ国から電話とはなあ。ラジオ輸入するの?」

ルイスは笑顔でリビングルームにやって来た。

「多分?パルドデアから無理矢理っぽいんだけど。」

ルイスはなるほどなあと言いながらプラゲ国へ電話してくれる事になった。


『あっ。ボードウェン国のルイス・マッケンジーです。はい。あっ光国さん?』

羨ましいくらいのプラゲ語だ。


『おお!ルイス殿。お久しゅう。ラジオの事を聞きたくてのお。』


ルイスはプラゲ語で説明している。難しい・・・。


『解った様な解らない様な。全く想像つかぬ!』


『でしょうねぇ。ボードウェンかパルドデアに見学に行ったら良いんじゃないですか?』

それが確か早い筈だ。


『それが日が無いのじゃ。10日後にはパルドデアから王子が我が国に参られる。』

だってさ?とルイスが伝えてくれる。

急だなあ。切羽詰まって電話くれたんだろうか。


『パルドデアの輸入は断れぬ。致し方無いのだが。納得して輸入出来たらこちらも有難いのだがなあ。』

プラゲ国、困っているみたいだなあ。


「ねえ。ルイス・・・。僕達、その輸入締結現場にお邪魔しちゃダメかな?」

横からルイスに声をかけると


「え?いいの?行きたい!勿論、皆でだろ?」

僕は大きく頷いた。

実はキャサリンの為にもう一度プラゲ国に行きたいとずっと思っていた。


『光国さん。俺達が通訳でそっちに行きますよ。』

ルイスは早速、光国殿に交渉している。


『本当か!!それは助かる!しかし、大丈夫かの?パルドデアの者じゃぞ?』


『俺達、パルドデアの王子達と仲良しなんですよ。大丈夫です。』

光国殿は心配している様なので僕が今度は電話を代わることになった。


『ジェファーソンです。パルドデアの特にアルマーニ王子とは仲良くさせてもらってます。だから大丈夫ですよ。』

そう言うと凄く驚かれた。

アルマーニ王子ってやはりお気に入りへの優しさは半端ないけれど。

プラゲ国のウケは悪いみたいだ。


『本当に良いのか?』

光国殿は来て欲しそうだけど心配している。

『ちょっと待って下さいね。』

一旦保留にしてルイスと相談。


「何か良いアイデアないかなあ。アルマーニ王子が外交の邪魔してると思われても嫌だし。」

悩む・・・。


「凱旋公演したいと思ってたんだよなあ。アルマーニ王子も喜ぶだろ?」

ルイスが言うのも最もだ。

プラゲ国でコンサートやれたらキャサリンも会長もルナリーも凄く喜ぶだろうし。


「10日でやれますかね?」

やる気満々だけど。


「やる!!あっ!あとさあ。俺とルナリーの婚礼衣装を和装にしたい。」

ルイスがそう言った。なるほどね。着物かそれは良いかも。

もう、僕ら2人だけど強引に決めて良いかな?


『もし宜しければコンサートをさせて貰えませんか?5曲くらいで良いんです。パルドデア国の皆様も僕らのファンでして。』

そう光国殿に説明すると僕らの趣旨を理解してくれた。


『コンサートと言う名目で日程を合わせると言うことじゃな!!名案じゃ。しかしプラゲ語で歌って貰わぬと困るぞ?』

そこは大丈夫です。プラゲ語で歌いますと言うと光国殿はうんうんと嬉しそう。


そして、ちょっとルイスに代わりますと言って電話を代わる。


『あっ。何度もすみません。白無垢と紋付袴欲しいんですよ。そうそう。婚礼衣装です。』


『そうか。主らの結婚式か。それは良いのお。パルドデアを上手く誤魔化せそうじゃなあ。』


何か上手く行ったようだ。

また詳しく決まったら電話します。と電話を切った。


「勝手に決めて良かったかなあ?」

何かプラゲ国を放っておけなかった。


「あのパルドデアのプラゲ語の冊子って結構、間違いあったしさ。専門的な事って通訳必要だと思うんだよな。」

ルイスも皆、絶対行きたいって言うよと言っているし。


「じゃ、明日決めますか!」

「おー!俺も婚礼衣装勝手に決めたからルナリーに了解得ないとな。」

ルイスはちょっと苦笑している。


ルイスが帰って漸く一息つけた。


文化祭の後はプラゲ国行きかあ。

本当に僕らって落ち着かないよね。

でも、楽しみ過ぎる。


キャサリン喜ぶかなあー。

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