第332話文化祭コンサート

500名収容のアリア学院大ホールは満員御礼。

学生服でこのホールでコンサートやるのも最後なんだと思うと感慨深くなる。


ホール内のアナウンスが流れると生徒と一般客が歓声を上げた。

手拍子でノネットコールが始まった。


「全員で登場しようか?」

「ご挨拶しますかー!!」

王子が行こうかと声をかけた。


登場すると割れんばかりの拍手と歓声が巻き起こった。


「アリア学院文化祭!楽しんでますかー?」

「ノネット・クライムでーす!!」


普通のコンサートホールよりも近い距離で観客の熱気を感じる。

普段は良い生徒達なのに本当にノネットファンなんだなあと思う。


「じゃあ、1曲目!!Love Love Love!」


キャサリンメインボーカルの女性ユニット。

1曲目は切なくそしてスローな出だし。


観客も大騒ぎせずにウットリと聞き入っている。


早速、涙を流している生徒も居た。


「さあ、次はみんなで歌おー!愛は勝つ!!」

会場は再びワッと盛り上がった。


この曲も結構浸透してきたなあ。

嬉しい。


私達の主線とハモリに生徒達は共に嬉しそうに歌いながら手拍子をする。

めちゃくちゃ楽しい。


「お次は新曲でーす!」

エミリアの掛け声に会場が沸いた。


「Let It Be。」

王子がメインボーカル。ハモリはクライスと会長とカイン。ギターはルイス、ジョージはピアノだ。


生徒達や一般客の感動した顔。

幸せそうに聞き入っている。優しい王子の声が会場に響き渡った。


歌い終わると歓声と声援が巻き起こり会場は更にヒートアップ!


ステージにはクライス、ジョージ、カイン。

ギターはそのままルイス。ドラムは会長。


3人が並ぶとザワザワと言う歓喜に満ちたワクワクが伝わってくる。


「君だけに。」

クライスがそう言うと。

キャー!!!!と女生徒達の黄色い声援が今日イチ響いた。

暫く歌い出せないくらいの歓声だった。


パチッと指を鳴らしながらダンスが始まった。

所々で声援とそして静かに聞き入る生徒と・・・。もう皆、3人に釘付け!


本当にダンスも歌もカッコいいもんなあ。


そして本日もお約束が始まった。

倒れるねー。

幸せそうに女生徒も一般客女性も気を失っていく。


決して君達を抱き締めるために生まれて来たのではないと思うのだが・・・。勘違いするくらいクライスもジョージもカインも上手い。


倒れていなくても心は何処かへ飛んで行っている女生徒達。


「はーい!ゆっくり皆立ち上がって下さいねー!」

「大丈夫ですか?」

ジョージやカインが声をかける。


暫くして会場も復活!!


「じゃあ!ラストだよー!」


いやー!!と言った悲鳴も聞こえる中で


「if!!」

会長がそう言うと会場は揺れんばかりの拍手と歓声。


私達の世代にはこの曲のウケがめちゃくちゃ良い。

カッコ良いもんなあ。


男子生徒のウケが特に良くてカインのラップは男子生徒のカイン様コールがガンガン聞こえた。


コンサートはあっという間に終わった。


私達は一旦、舞台をはける。


「5曲は早いなあ。」

「アンコールが激しいですね。」

じゃあ、本当にラスト文化祭。


来年も来るだろうけど。

学生最後の文化祭だー!!


アンコール!アンコール!アンコール!


「お待たせー!」

わー!!と歓声が上がった。


「We are the world!!」

定番となってきたアンコール曲。


生徒達、一般客、私達、会場が一体になる。


観客も涙。私達も感慨深過ぎて涙の中文化祭コンサートは終了した。


「ありがとう!」

「みんな!ありがとうございました!」

拍手と声援と・・・。鳴り止まないノネットコール。


やっぱりこの学校って良いなあ。

しみじみ思う。


「お疲れ様ー!!」

「文化祭最高だ!」

全員でハイタッチ。


私達の学生最後の文化祭は終了した。

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