第330話文化祭!準備と皆でデート♪

アリア学院の文化祭のメインイベントは初日の文化祭コンクール。


だからコンサートと喫茶店を初日と2日目に分ける事が出来なかった。

確かにコンクールに出る生徒も来たいだろうしな。それを考えての考慮。



喫茶店は限定100食のケーキセット販売。

午前中の文化祭開始時間から開店。その後、午後からコンサートだ。


「明日は忙しくなりそうだよねー。」

カインが溜息をしながら机を拭く。

「限定100人だし直ぐに終わるよ。」

会長が宥めるようにカインにそう言いながら喫茶店風に机を組み合わせている。


そう、現在明日の喫茶店の絶賛準備中。


喫茶店は大会議室を借りた。大会議室には給湯室があるからだ。お湯も湧かせるし洗い物も出来る。


「ごめーん。遅れたわ!テーブルクロスとか沢山持ってきたわよ!」

キャサリンと王子と王家のメイドや使用人に料理人達がやって来た。


「おー。助かる。」

テーブルクロスがあるだけで雰囲気がかなり喫茶店ぽくなる。


「此処にカウンターを設置してコーヒー立てたりケーキ切り分けたりしたいです。」

王子の指示で王家の皆さんが動き出した。

普通の文化祭の出店には見ない光景だよなあ。本職が居る訳だし。


「会議室の外で前払いのお会計手伝ってくれる方は?」

会長が王子に尋ねるとメイドさんと使用人の2人がやってくれるそうだ。

お金は後払いにすると大変なので一律料金の前払いにした。


「こんな感じかな?」

色々と机の配置も悩んだが出来た!!


全員一旦会議室を出て中に入ってみた。

「おー!!喫茶店の雰囲気出てる!」

「良いね。クオリティ高い。」

ルイスと顔を見合わせて頷いた。文化祭の生徒がやる喫茶店にしてはクオリティが高くてお洒落だ。


「後は衣装を着れば完璧だよね?」

クライスがフフっと笑う。

「生徒達が喜ぶ顔が目に浮かぶね。」

会長も満足そう。


「あー。そうだテーブルに番号付けないと間違えるよね。」

会長が右の手前から1から順番で良いかな?と言った。


「なるほど。レストランって席に番号付いているんですか?」

王子の質問に

「恐らく?付いてたら楽でしょ?」

キャサリンはそう答えていた。


良し!準備万端かな?


「露店行こうぜー!スイーツ食いてー!」

腹減ったぞ。

「じゃ、行きますか!!」


今年の文化祭の露店は皆でデート!にした。

高校最後だし全員で楽しみたい。


「最初どこ行く?」

クライスが尋ねると皆、好き勝手答えていたがジェラート屋に決まった。

さあ、今年は何にしようかなー。


「僕、チョコレート!」

ジョージが早い。

「じゃあ、僕はブルーベリー下さい!」

王子はブルーベリーか。


「私は今年はピーチにしよう。」

桃とか久しぶり。

「俺はアーモンドで!」

「私は・・。うーん?バニラにします!」

ルイスとエミリアも決まった。

同じ物でも良いのだか。私達はシェアする気満々なのだ。


「私はストロベリーにしよう!」

「それならば僕はピスタチオ。」

「会長がそう来るなら僕はコーヒーかな!」

キャサリン、会長、クライスが決めてカインが残った。こう言うの早い者勝ち感がある。

「うーん?ヨーグルトでお願いします。」


何とか決まった私達は1口貰いあい。

自分の無くなりそうだがこう言うの楽しい。

「こら!ジョージ取りすぎだぞ!」

「アーモンド意外といけるねー。」

お前のチョコも戴く!と取り合っているルイスとジョージ。


「会長・・・。あーん。」

「皆がいれば怖くないな。」

クライスと会長はラブラブにしているが2人っきりじゃないと全然周りにも解らない。

私達が仲良しなのは生徒だけでなく国民にも知れ渡っているからなあ。

特に財閥や社長クラスにはパーティーでシャッフルダンスしたりするのが普通だと思われている。


「次はクレープ屋さん!」

「食べまくるかー!」

全部制覇は出来ないが色んな物を食べ歩く。


不思議な感じ。1年生で文化祭コンクールに出てからの付き合いがこんな深くなるなんて誰も想像してなかっただろうな。


「ねぇ!!これ明日お揃いしない?」

雑貨屋さんを見ていたキャサリンがこっちに来てと呼んだ。


「ん?カチューシャ?・・・。あー!コイツらにかぁ!」

ニヤっと振り返る。可愛くなるなあ。


「もしやそれは僕らに?」

王子が苦笑している。うんうんそうだよ。


「仕方ないなあ。何色にする?」

何だかんだと納得してくれて男性陣は色違いお揃いカチューシャを購入。

小さなリボンが付いていてとても可愛い。


今日は食べ歩きで文化祭終了。


明日はメイド&執事喫茶本番。

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