第324話国立音楽ホールコンサート後編

おー!凄い歓声だ。

3人、何かALFEEに見えなくもない。


会長、無事に戻ってくれて良かったよ。

しっかり声も出てるし。


やっぱりルイスのファンは野郎が多い。

醸し出す雰囲気が私らってそうなんだろうなあ。


そして、カインの個人曲だ。


カインの登場でアルマーニ王子がめちゃくちゃはしゃいでいる。

カイン様!!カイン様!

もうカインコールを率先している。


「僕の個人曲です。ちょっとスローな曲なんですが、昴。聞いてください。」


カインの美声低音ボイスに皆、うっとりしている。

特にアルマーニ王子。


歌い終わった後の拍手喝采は暫く鳴り止まなかった。


そして全員で登場。

「愛は勝つ!!」

またしても会場が揺れる。


覚えてくれてるー!

会場全体から聞こえる歌声にこっちが感動しそうだ。

勿論、パルドデア王子達もダミアン皇太子もエリザベスさんも歌っている。


「ありがとうー!」

「覚えてくれて感動したよー!」

皆で手を振って観客に挨拶。楽しい。


「さあ、いよいよ。お待ちかね?クライス、カイン、ジョージのユニットでーす!」

会場は今日イチの歓声に包まれた。

黄色い声援が飛ぶ飛ぶ。


さて、何人倒れる事やら。


「君だけに。聞いてください。」

ダンスと歌。


舞台袖から見てても上手いしカッコいい。

「クライス、カッコいいよね。」

横から会長がフフっと嬉しそうに言った。

「だなあ。ルイスには負けるけどなあ。」

2人でクスクスと笑える。


あー。倒れた。御令嬢キラーだね。

また倒れたぞー。幸せそうな顔だ。


ちょっとアルマーニ王子もクラクラしている。カインにメロメロ過ぎる。


「ありがとうー!」

「大丈夫?ゆっくり起きて下さいね。」

多分、今までで1番倒れた人数最多だな。


次は世界に一つだけの花。

全員で登場。


定番になりつつあるこの曲は凄く人気がある。ダミアン皇太子が嬉しそうでそれをチラ見するエリザベスさんも。


拍手と歓声の中で次は男性ユニット。

カインの初の試み。

ウケると良いなあ。


「次曲も新曲!if!」

「残すところ後、2曲となりました。」


えー!!!!と本日も頂きました。

本当に残念そうな顔が嬉しい。


if

クライスの美声が響き渡る。男性達のカッコ良さが引き出される曲だな。


そして、カインのラップパート。


うわー!!と言う男性の歓声が上がった。


ウケたなあ。アルマーニ王子は前のめり状態だ。


この曲は男性のハートもガッチリキャッチ。


そして、ラスト。We will rock you。


黒子と言うか警護人達が座る台を運ぶ。

一瞬だが会場も座るの?と言ったざわつきを見せた。


「いくか!」


「ラスト!We will rock you!!」


ダンダンパン!!ダンダンパン!!


ざわつきも歓声に変わる。


こりゃ流行るぞー!ってくらいのノリになってきた。


割れんばかりの拍手喝采と歓声に包まれて私達は舞台袖にはけた。


「一先ずお疲れ様!!」

成功を祝ってハイタッチ。


「はい。アンコールまでがコンサート。」

王子がニッコリと微笑む。


もう既にアンコールが巻き起こっていた。


「アンコールありがとうー!」

「今日は本当に皆、ありがとうねー!」

登場にうわぁーー!!!と言う歓声が起こった。


「では、アンコール曲。贈る言葉。」

優しいメロディーと歌詞に聞き入る観客達の目には涙も見える。


そして、We are the worldでまた泣かせようとする私達。


ダミアン皇太子もエリザベスさん、アルマーニ王子やアンドレ王子、デイビッド王子も感涙中だ。


鳴り止まない拍手喝采の中、コンサートは無事に終了した。


終わったー!!


楽屋に入り皆でジュースで乾杯!


「コンサート成功!おめでとう!」

「おめでとう!!」


皆の笑顔が溢れる。


「えーと。ご迷惑をおかけしてごめんなさい!!」

クライスが申し訳無さそうに頭を下げた。


「僕も迷惑かけた。ごめんなさい!」

会長も。


「で、どうなったんですか?」

王子が意地悪そうにニヤっと笑って聞く。


「付き合う事になりました!」

クライスが嬉しそうに微笑む。


「おめでとう!!」

全員で2人を囲んだ。幸せそうな会長とクライスを見ているとこっちまで幸せな気分になる。


「あっ。会長。さっきキャサリンに聞いたんですけど。もし、キャサリンとルナリーが男性に生まれてたらって?」

王子が会長に話出した。

キャサリン、話したのか。


「絶対、付き合いますね!御令嬢と婚約破棄してでも男のキャサリンと!そして法律変えます!」

その発言にはキャサリンも苦笑している。

流石、暴走王子だ。


「俺も付き合うだろうなあ。だって、ルナリーだよ?好きになるに決まってる。」

ルイスまで。


「ありがとう。何かさあ。性別なんて気にしてられないね?」

会長は少し涙目でクスクスと笑い出した。

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