第317話ダミアン皇太子とラジオ局へ

コンサート2日前。早速だけど皇太子とエリザベスさんが来るそうで学校をさぼって・・いやいや外交と言う事で空港へお迎えに来ている。


金曜日は会長担当のラジオ放送日なので2日前入りして貰った。




「そろそろっぽいですね。あれそうですよね?」


王子が遠くの空を指差す。うんうん。飛行船だ。




「良かった、ラジオ放送には余裕で間に合いそうですし。」


王子は嬉しそうだ。


何だかんだで王子が皇太子が来るのを一番喜んでいる様に見える。


会長は念の為に先にラジオ局へ行って貰った。




「何かこうして見てるだけでも怖いよ。」


空港の2階から眺めているのだがカインが呟く。


「まあねぇ。不思議だよね。空に浮くの。でも空飛ぶ夢とか見ないの?」


横のクライスが尋ねると見たら多分悪夢だよと答えていた。




飛行船が降り立ったので1階ゲートまで出迎えに向かう。




「ダミアン!エリザベス様!」


王子が声をかけると2人は笑顔で手を振った。警護の人と専門家風のスーツの叔父さんが同行している。




「御招待ありがとうございます!」


エリザベスさんが嬉しそうに寄ってきた。


「久しぶり!」


皇太子もちょっとだけ笑顔。なかなか素直じゃない。


スーツの叔父さんはラッセルさんと言うやっぱり機械系の専門家の人だった。




「では、ラジオ局に行きましょうか!」


王子がバスへ案内する。




「あっ。ダミアン、明日はゲネプロだから昼間はお相手出来ないですが良いですか?」


王子が申し訳無さそうにそう言った。


「全然、構わないよ。適当に過ごせるし。」


「コンサートとても楽しみです!」


皇太子とエリザベスさんはニッコリ。




バスに乗り込みラジオ局へ。




「もうすぐラジオ塔が見えますよー。」


王子が右手を指す。




「結構大きいな。なるほどなあ。」


皇太子は物珍そうにラジオ塔を眺めていた。


勿論、専門家のラッセルさんも食い入る様に見ている。




「はーい。到着です。放送に間に合って良かった。」


お昼放送まで1時間くらい。見学もゆっくり出来そうだ。




最近は会長がメインで放送してくれている。私達は交代でゲストと言う形で昼ご飯時になったらラジオ局へ向かって途中参加をしたりして何とか頑張っている感じだ。




会議室へ先ずは向かう。


「どうぞ。」


ダミアン御一行を中へ。




「やあ!来たね!こんにちは!いらっしゃいませ!」


中には会長とグレンさんも来ていた。


機材関係の話をするのはやっぱりグレンさんが居た方が話が早い。




「これが噂のラジオだよ。」


パルドデア国からの輸入品。


この機械がそうなのかとダミアンもエリザベスさんもラッセルさんも興味津々。


「放送開始しないと解らないよね。」


先にラジオ機材部屋見ますか?と御案内。




ラッセルはグレンさんに説明を聞き一生懸命メモしている。




「あそこで話すんですか?」


ガラスの向こうのラジオブースを指すエリザベスさん。


皆でうんうんと笑顔で頷く。




一通り説明を受けそろそろ放送開始のスタンバイ。


「どうしますか?先ずは会議室からラジオ聞いて見ます?それともラジオ放送に参加します?」


王子の問に先ずは聞きたい!と言う事で王子とダミアン御一行は会議室に入っていった。




「何か全員でやるのって久々で楽しみ!」


クライスが真っ先に席に着いた。


王子は後で参加するとして本当に夏休み以来だ。




昼12時ラジオスタート。




「ボードウェン国の皆様!こんにちは!お昼の放送のお時間です。」




「はい!本日はノネット・クライム全員集合!!」


わー!!と拍手。




「はい。ちゃんと真面目にニュースもお送りします。」


会長が読み上げる。




「では、今日の1曲目。ノネット・クライムで万里の河!」


レコードを流す。




「失礼するよ。」


王子と皇太子とエリザベスさんが入って来た。




「凄い!!めっちゃ聞こえたよ!」


皇太子が感動と興奮中。


「びっくりしました!」


勿論、エリザベスさんも。




「はい。音楽終わりますよー。」


会長が言うと2人ともワクワクした感じで座った。




「今日、金曜日なのにノネットメンバーが全員集合の訳は。はいジェファーソン!」


「アーシェンバード国から皇太子様と婚約者様が来られているからでーす!」




「あっ。こんにちは。ボードウェン国の皆様。アーシェンバード皇太子のダミアン・アーシェンバードです。」


「こんにちは。婚約者のエリザベスと申します。」




2人は緊張した様子で必死に御挨拶。




「緊張してますか?慣れると楽しいんですよー。」


王子が本当に嬉しそう。




その後は本当に楽しく雑談してラジオ放送終了。


「ではまた来週!!ノネット・クライムとアーシェンバードより皇太子様と婚約者様でした!」


「またねー!!」




「はい!OKー!」


機材部屋からOKサイン。




「はぁー!何か不思議過ぎた!」


「でしょう?」


皇太子は大きく頷く。




「確かにこれは面白い。予算を投与する価値あるね。」


本当に気に入ってくれた様だ。




私達も嬉しい。




放送後は専門家の人とグレンさんの色々とした話し合いを待ってその後は城へ。


今日は私達も城へお泊まりする事にした。

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