第296話酔っ払っいジェファーソン
「ほら。ちゃんとお水飲んで。」
ジェファーソンは素直に頷いて水を飲む。酔い覚ましにも二日酔い予防にも水分補給は大事。
確か二日酔いは脱水症状に寄るものだったわよね。前世で泡盛を沢山飲む親や親戚達が二日酔い予防方法を色々と話していた事を思い出す。
自分は勿論、飲酒は未経験だったけど島人は沢山酒を飲むから介抱は慣れている。いや、寧ろ得意かも。
ウコンもシジミも無いわね。いや、あれは飲む前に飲むんだっけ?
あっそうだ!経口補水液が作れるわ。分量解らないけれど砂糖と塩が有れば大丈夫。
「ジェファーソン、ちょっと待っててね。」
「うん。ごめんね。」
話に夢中過ぎて飲みすぎたのね。初めてのお酒ってそうなるわよね。親戚の飲み会を思い出す。
厨房に入り料理人にお願いして塩と砂糖を少し貰った。
お湯に溶かしてっと。味的には砂糖が多めよね。1口飲むと美味い。懐かしい味がした。
リビングのソファで休むジェファーソンの元に戻ると眠そうにしている。
「ジェファーソン。はい。これ作ったの。飲んで!」
ジェファーソンはうん。とまた素直に頷く。
「何これ?美味しい!」
眠そうだった目がパッチリ開いた。
「うふふ。キャサリン特製のポカリよ。」
ジェファーソンは初めてのポカリに凄く感動している。
うん。これだけ飲めば二日酔い予防はバッチリだわ。
「良かった。落ち着いてきたよ。ありがとう。お酒飲むと顔が熱くなるんだね。」
まだちょっと顔が赤い。
トイレ行ってくるとジェファーソンは立ち上がる。飲むとそうなると親がよく言ってわ。
もう足取りもほぼ大丈夫そうだ。
部屋まで送って行ってから帰ろう。
「部屋まで送るわね。そしたら帰るわ。」
戻って来たジェファーソンに告げると笑顔で頷いた。
大丈夫?ちょっと支えながら階段を上る。
部屋の明かりをつけてっと。
「大丈夫?ジェファーソン?」
そう聞いた瞬間・・・抱き締められた。
「キャサリン。ありがとうね。」
「ううん。気にしないで。」
不意打ちすぎてびっくりした。
「キャサリン。」
熱い瞳で見詰められてそのままキス。
「キャサリン。愛してる。」
チュッと軽くキスをされそのまま首筋に唇が触れる。
「ん。。ジェファーソン・・。ダメだって。」
身体がビクッとなってキツく断れない。
絶対、まだ酔っているわ。何とかしないと。
ゾクゾクするぅー!!
「んー。待って。あっ。。もうダメだって。」
少しだけ期待している自分も居る。
でも、王族は結婚までしてはダメなのよー!!
ジェファーソンの抱き着きから何とか逃れる。
はぁはぁ。
「キャサリン。」
寂しそうな瞳で見詰めるジェファーソン。
「ジェファーソン。」
私も切ない。
「キャサリン!」
ジェファーソンがまたギュッと抱きついてきて
勢いでベッドに押し倒されてしまった。
「あの。えっと。」
どうしよう。狼狽える私の唇をジェファーソンは塞ぐ。
熱いキスが止まらない。
ジェファーソンは私を押し倒したまま見詰める。
「キャサリン。大好きだよ。」
「私も。ジェファーソンが大好きよ。」
「うん。嬉しい。でも眠い。」
バタン。ベッドに突っ伏すジェファーソン・・・・。
すぅすぅと寝息が聞こえる。
「寝たわね・・・。」
はぁー。思いっきり溜息が出た。びっくりしたー。
ちょっと覚悟しちゃったじゃない!もう!!
気持ち良さそうに眠るジェファーソンの頬をつつく。
「はぁ。良かったのか悪かったのか。」
自分でも感情が良く解らない。ちょっと怖いけど。前よりも怖くない。
でも、やっぱり結婚してからしたいかなあ。
「おやすみ。」
ジェファーソンの髪を優しく撫でて立ち上がる。
机の上に誕生日プレゼントを置いてっと。手渡ししたかったけれど今日は仕方ないわね。
全く、困った王子だわ。
一言書いてからにしようかな。
ノートに「大好きなジェファーソン。お誕生日おめでとう。」
そう書いて部屋を後にした。
キスマーク付いてないわよね?!
ドキドキしたし。もう本当にしちゃうかと思ったー!!
ジェファーソンお誕生日おめでとう。成人おめでとう。
また明日!
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