第283話ドラム♪完成!

ルイス様かルナリー様いらっしゃいますか?と大司教様からお電話です。


帰国した翌朝にマッケンジー家に電話が入った。


「ん?了解。」


なんだろ?とルイスが電話に出た。横で私も聞く。




「あっ。ルイス君?お帰りなさい。そしてお疲れ様でした。」


大司教さんの嬉しそうな声が聞こえた。


「大成功でしたよ!どうしました?」




「それは良かった。吉報です!ドラムが完成しました!!」


「おおおおー!!ルナリー聞いたか?」


うんうん!横で頷く。




「今から教会に寄ってから学校へ行きませんか?出来れば持って行って下さい。」


そう言われ二つ返事でOKした。




電話を切った後でルイスがまじまじと顔を見て言った。


「ドラムを乗せられる車無いな。」


「あぁ。確かに。」


トラック?バス?




「ジェファーソンに電話するか。」


それが手っ取り早いという事で電話。


王子はテンション高くOKしてくれた。ついでに会長にも電話して呼ぶ事にして教会へレッツゴー!




教会へ着くと王子はもう到着していた。本当に行動力の早さが尋常じゃない。


「早かったなあ。車、すまん。」


「王子、おはよー。」




「車、これで乗りますよね?」


「おー!トラック!」


城にあって良かった。




会長も到着。


「やー!嬉しいねー!ドラムだよ。今日弾いてみようよ!」


会長はウキウキで教会へ早く入ろうと呼びかける。




教会の中に入るとドラムを叩く音がする。


「おお!すげー!」


大司教さんカッコイイ!絶賛演奏中だった。


「うわー!!!」


王子の目がキラキラ光って大司教さんの元へ走っていく。


凄く嬉しそう。




「あっ!おはようございます。良いでしょー?」


大司教さんはドラムを叩くのを止めて王子にお披露目。




「大太鼓や小太鼓とはまた違う!見た目もカッコイイ!」


王子テンション上がりまくりだ。


「良い音ですね。再現度高い。」


「うんうん。ドラムってこんな感じだった!」


私達もテンション高いな。




「て言うか大司教さんドラムも叩けたんだ?」


と言うと少しですよ。ギターとベースは結構弾いて来ましたけどねー。と笑った。




「ねえ!やらせて下さい!!」


王子がもう堪らない様子で大司教さんに訴える。大司教さんは快く王子を座らせて教えていた。




「なるほど、足元にもあるんですね。そしてシンバル?ほほう。」


うんうんと大司教さんに習いながら叩き始める王子。




様になっている!


「やるじゃないかー!」


皆で感心していると


「これ、結構体力使う・・・。」


と叩くのを止めてそう言った。




「あー。確かになあ。」


慣れないと疲れそう。




一頻り皆で遊んで漸く学校へ。




「大司教さん!本当にありがとうございました!」


「いえいえ。ミサコンサートもまた再開しましょうね。」


大司教さんは満足そうにニコニコ。


音楽の幅が更に広がった。4人でお礼を言ってそれぞれ学校へ。


王子はトラックへ積み込みの指示を警護人へしていた。




レッスンルームへの運ぶ作業も警護人がお手伝い。助かる。




ガラッと勢い良く扉を開けるともう全員集合していた。


「遅かったわね?」


私達が揃って来たのでキャサリンが不思議そうに尋ねる。



「教会寄ってきたんだ!」


「キャサリンも呼べば良かったですね。ごめんね。」


キャサリンは大丈夫よーと言いながら背後から来た警護人の運んできたドラムを見て目を見開いた。



「出来たのね!!」


皆も思わず立ち上がる。




ドラムを組み立ててからはもう交代で叩き合い。


会長は楽譜をドラム入れて作るかーと既存の楽譜も少し手直しすると言うので私も手伝う事にした。




「レコーディング前で良かったね。」


「うん。また良いタイミングだな。」


楽譜も良い感じに仕上がってきた。



「しかし、皆、ハイスペック。初めてなのに上手い。」


会長がクスっと笑いながら楽譜書きを進める。


「だよなあ。私らは聞いた事もあるのに。皆は初見だし。」


楽器や歌への能力値は全員普通じゃない。



「よーし!ドラム入れてレコード用の曲練習しようか?」


「交代でやろう!」


やる気は急上昇!



ドラムを加えた楽曲はまた1歩、音楽革命へとなった。

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