第282話帰国

翌日の空港には3人の王子達が全員見送りに来てくれた。


何とバスの中まで一緒!リムジンに乗らないんだな。


アンドレ王子が空港までの道程で色々と建物の説明をしてくれた。観光の様で楽しい。




空港に到着しても乗り場まで着いて来られた。


「本当にお待ちしておりますから!!」


「是非是非!!来てくださいね!」


名残り惜しそうに握手。


「カイン様!貴方のソロ楽しみにしています!!」


アルマーニ王子は最後にカインの手をしっかり握って握手していた。カインは照れ笑い。


「また来ます!」


私達も本当にまた来たい。




「ノネット・クライム最高!」


飛行船に乗り込む時にアルマーニ王子が叫び手を振ってくれた。


私達も笑顔で手を振ってお別れ。






飛行船に乗り込むとカインが


「ほら!姐さん!ルイス!隣に来てくださいよー。」


と情けない声を上げる。




「これ、アルマーニ王子には見せられないなぁ。」


「低音ボイスのカイン様ー!」


皆が揶揄う中で飛行船が飛びたつ。




「だーかーらー!!!この感覚がきーらーいー!」


叫ぶカインを可愛がりながら上空へ。本当にファンには見せられないぞカイン。




「あー。もう本当にパルドデアのコンサートは良かったけど。飛行船では行きたくない!」


ぶーぶーカインが愚痴を言う。




「次は我が国でもコンサートやりましょうかね。後はレコード販売!」


「ラジオ放送も利用して上手くやらないとね。」


やる事が多い。




「もうレコードの件は此処で決めましょうか。」


会長の意見的にはジョセフィーヌ国立音楽ホールでのコンサート曲を収録すれば良いかと言う話だった。




「限定版はどうします?」


「今度は5人がメインかな?」


「レコードタイトルは?」




議論が飛び交い限定版は予約のみは確定。勿論、パルドデアでも同時進行とする事に決まった。




レコードジャケットは表紙は全員で。裏は王子、キャサリン、ルイス、エミリア、私に決定。




「さて、問題はレコードタイトルだね。」


王子が何か意見ある?と言う。




「前回が絆だったでしょ?今回ねぇ。」


ジョージもカインもクライスもうーん?と首を捻る。




「こう言うのって毎回悩むのよね。」


キャサリンが溜息をつく。




「この前のコンサートのタイトルで良いんじゃないです?」


エミリアが思い付かないからとそう言った。


うん。私もそれで良い。




「じゃ、音楽革命で良いですかね?」


王子も皆も納得した様で決定!!




「後はレコーディングの予約と撮影予約をして。コンサートどうしましょうか?」


「9月はジェファーソンの誕生日に修学旅行もあるから忙しいわよ。」


キャサリンがそう言う。そうだ王子の誕生日曲をこっそり考えないと!




「じゃあ10月かな?」




「あれ?会長って去年いつの間に修学旅行行きました?」


クライスが不思議そうに尋ねた。


何か会長が5日も居なかった記憶が無い。




「行ってないよ。コンサート控えてたし。」


「え?!良かったんですか?」


3年生の行事とか全く把握してなかったよ。




「何を今更。コンサートが大事だし。今だから言えるけど同じ部屋で寝るのは構わないんだが。風呂がね。一緒に入る事に抵抗がある。」


と笑いながら言った。


「そっかー。だから城では何時も部屋のお風呂に1人で入るんですねー。」


しみじみとジョージが言う。




「あー。変に意識しないでくれよ!裸も別に見ても何とも無いし。」


一生懸命会長は訴えていた。気持ちは凄く解る。


男として育って来ても多分、時々ふと前世に振り回されるんだろう。




「でも、アーシェンバードの修学旅行には着いて行くから!」


会長は私達と同じホテルを予約済。


「君らが学んでいる間に国の情勢でも調べるから任せとけ。」


とやる気満々だ。ダミアン皇太子はその後どうしてるかな。




「ねえ。誕生日パーティーなんですがまた僕に内緒で何か曲作るんですか?」


王子が鋭い。流石に3年目となるとバレバレだ。


「狡い・・・・。でも、嬉しい。」


とボソッと呟く。




「ジェファーソン。これだけは諦めて我慢してね。」


キャサリンがクスクスと笑いながら慰めている。王子は素直に頷いていた。




カインの絶叫と共にボードウェン国に着く。


また明日から頑張ろう。

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