第271話明日は学校だけどお泊まりです
明日は学校なのだがルイスが狂犬の癖に子犬の様な目で見詰めて来るのでマッケンジー家にお泊まりする事にした。
「すまん。まだ親父達に話して無い。」
「あー。暴露話か。一緒が楽だろうな。」
子犬の意味はそれかあ。
「でも、話すの今日で良かったかも。大司教さんの話もあるし。昨日の時点だったらグレンさんやローズさんのパトリックへの怒りがヤバい事になっていた。」
ルイスも確かにそうだと頷く。
丁度マッケンジー家の門を潜り単車を停めようかと中に入った時に玄関先に大司教さんが居た。
「おっ。大司教さん!自ら暴露?」
3人仲良くが確かに気が楽だ。今の所、気づかれているかもしれないがグレンさんとローズさんの件はこの3人しか知らない。
キャサリンや会長にも秘密。
「ルイス君、ルナリーさん。まだ先の事だけれど家電と言ったらマッケンジー家だから。ちょっとテレビの話とかしないとと思って来ました。」
大司教さんは今日もスーツ姿。似合う。
「ただいまー!」
執事さんがお帰りなさいませと迎えてくれて大司教さんにも御挨拶していた。
「リビングルームにいらっしゃいますよ。」
そう教えてくれたので向かう。
「ただいまー!」
「おー!ルナリー!あれ大司教さんもいらっしゃい!」
グレンさんとローズさんがまあ座れとお茶を入れてくれた。
「ちょっと大事な話がある!」
ルイスが話を切り出す。
「大司教さん1から話して大丈夫?」
パトリックの件を確認の意味で聞くと大丈夫ですよと笑顔。
それからキャサリンと私が脅された事。話した瞬間のグレンさんとローズさんの顔が怖い。これ1人で話すと確かに怖かっただろう。ルイスと大司教さんが居てくれて良かった。
大司教さんも顔が引き攣っている。
「総長!ちゃんと丸く収まったから落ち着いて下さい。」
殴り込みに行きそうな2人を宥める。
ノネットのメンバーに少しだけ内容を変えてプラゲ国の未来から来たと言う話をした事。そして皆に理解を得た事。
グレンさんもローズさんもホッとした様な顔をしてくれた。
「まあ、良かったじゃん。確かに前世持ちって興味あるし面白いよな。」
「で?パトリックの始末はどうするんだ?」
グレンさんこえぇーーーー!!
そこからは大司教さんが必死に弁解していた。
グレンさんもローズさんも兄弟とか仲間には弱い。
「そっか。弟か。大司教さんの弟なら仕方ねーな。」
「兄弟揃ってこの世界に転生出来て良かったじゃないか!!」
とほぼ落ち着いてくれた。
「グレンさんとローズさんは暴露しますか?」
2人はうーん?と考え込む。今まで隠して来たんだもんなあ。
「バレるまで内緒で良いだろ?」
そう言う結論になった。この2人に無理強いする力は無い。
「もう1つ本題に入って良いですか?」
大司教さんが雰囲気が和やかになったので話始めた。
「ほー!パトリックすげーな!テレビか。」
「販売の権利とかが絡むわよ?グレン。」
大人の会話になって来たなあ。
ガードナー家も儲かりたいだろうし。
「取り敢えず飯でも食いながら話そうか。」
もうそんな時間か。グレンさんに促されダイニングルームへ。
「ガードナーのおっさん性格悪いんだよなあ。」
酒の入ったグレンさん。
「良い商売してるからねー。」
「どの時代でもどこの国でも金持ちは似てますね。」
と大司教さん。
大人達が良い感じで酔っ払いになってきたので今日も放置する事にした。
「じゃあ、寝まーす!」
「おやすみなさい!」
3人は今後の儲け話や作りたい家電でノリノリで私達の挨拶には適当なお返事だった。酔っ払いはやはり放置だな。
「上手く販売出来ると良いんだけどなあ。」
ルイスもルイスなりに心配はしている。
製作者と販売者。ガードナー家には財力があるからここで家電にまで進出してくると面倒だと言うお話な様だ。
ベッドにゴロンと転がる。
「何か。ホッとしたなー。」
「皆が理解してくれて有難い。」
だよなー。と本当にホッとした。
「明日、学校だったな。」
ルイスがちょっと考え込んでいる。考えている内容は丸分かりなのだが。
「なあ、王子にいつ教えてやるの?」
「教えるって言うのがなあ。何かクソ恥ずかしい。」
王子、真剣に聞きそうだし。
「何とかやれば良いんだよなあ。これは相性ってのもあるし!マニュアルあって無し!」
そう言って私にガバッと抱きついて来た。
「何が好きかどんな反応するか。俺、めちゃくちゃ考えてるんだけど。」
改めてまじまじと見詰められると照れる。
「ありがとう。」
ルイスの頬を優しく撫でる。
「私も考えてるぞ。」
「知ってる。」
そう言って口を塞ぐようにキス。
激しく優しく。とろける。
電気は消して。
身体を重ねる。
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