第230話次のコンサートはロックだぞ!?

レッスンルームに着くと皆が揃っていた。


「おはよー!昨日はおめでとう!」




「ありがとー!練習すまん。休み過ぎたな。」




私とルイスがコンクールの為に休んでいる間に次回コンサートの予定がだいぶ決まっていた。


コンサートは5月の1週目の土日。


場所は国立ジョセフィーヌ音楽ホールと言う国では比較的新しいホールだ。そして大きい。


ちなみにジョセフィーヌは王妃の名前。




何か王様の愛が感じられる。




「思い切ったね。」


ちゃんとチケットが売れるか心配だ。




「必ず売りきりますよ!」


私服の会長が張り切っている。




「おお!凄い!」


ポスターがレコードジャケットの様に斬新なデザインになっている。


《音楽革命》と言うお題まで。革命か凄い。




今回はチケット販売店を拡大すると言う。


普通は国立教会と借りる音楽ホールだけなのだが。




「良い席は国立教会とホールにします。しかし真ん中より後ろと2階席はこの前レコード販売を行った近隣の市の教会で販売をします。」


会長は新聞広告に詳細をきちんと載せ前席が欲しい場合は首都で購入をお願いし買いに行く暇が無いけれど行きたい方は自分の近所で購入出来ると言う案。


「ちなみに2階席は5ボードウェンドル安くしてます。」




うんうん。それは良い考え。




「後は売れなかったら再度広告を載せる予定。」


ラジオが早く復旧してくれたらもっと売りやすくなるだろうな。




ちなみにあれから電波塔の工事が我が国では進んでいる。


目標は年内にラジオ局を作る。




「で、チケット販売はいつから?」


「金曜日に新聞広告を載せて発売は土曜日からにする。」




流石、会長抜かり無し!




「後は曲決めね。」


キャサリンがノートを広げる。




「今回のソロ曲、私歌うわ!」


キャサリンがもう歌いたくて仕方なかったと言う。


そうだ昔言ってたボカロってやつだ。イマイチ解らないジャンル。


「キャサリン、もう曲作ったの?早いねー!」


王子が嬉しそうにキャサリンに聞いている。


キャサリンがプラゲ語で作りました!と言うと皆、感心していた。


後でキャサリンにこっそり聞くと翻訳するのが無理だったと言う。うーん?どんな曲だ?




そして会長が徐ろに楽譜を取り出した。




「ユニット曲だよ。」


会長が皆に配って回る。


これは!仮面舞踏会か!


会長が「君だけにと迷ったんだけどねー。今回はちょっとコンサートの趣向をロックテイストにしたくてね。」と耳元で囁いた。


なるほどちょっと曲を激しめで行くのね。


メンバーはクライス、カイン、ジョージか。




「次のユニット曲も配るね。」


短期間で作りまくったなあ。




おお?ヴァージニティー?ってREB〇CCAだ。懐かしい!


「なるほど、斬新!」


王子が楽譜を見ながら感心している。


メンバーは王子、ルイス、キャサリン。キャサリンのNOKKO良いんじゃないかな。合うな!




後は会長と私とエミリア?


配られた楽譜。うーんと何か知ってる。


鼻歌で歌いながら


「ネーバーエンディングストーリー!」


会長と目が合うとニヤっと笑った。




これ絶対、大司教さんの提案だろうな。会長の年齢なら知らなさそうな歌ばかりだよ。


いやあ懐かしい、全部歌えるぞー!




「会長、凄く良いですね!」


クライスがうんうんと頷く。




「ちょっと今回は激しめにね。ウケると良いなあ。」


会長はやる気に満ちてる感じがする。




「後はソロ曲2名なんだけどクライスとジェファーソン!」


僕らですか?!とちょっと驚いていた。


とくに王子。


「曲はちょっと待っててね。間もなく完成するから。」




後は新曲っと。会長が完全にノリノリで1曲の楽譜を出した。




「この曲のコンセプトは誰にでも歌える曲。」


「何と言うか会場で皆が口ずさめる様な曲を1曲は必要だと思ったんだよね。」


会長の楽譜には《愛は勝つ》と書いてあった。




ほほう。なるほど歌いやすい。


「皆で歌える曲かあ。考えましたねー。」


楽譜を見ただけで皆、口ずさめている。


「歌詞が良いね。僕も好き。」


ジョージもさらっと歌っている。


「ピアノは僕かな。メロディーも聴きやすくて良さそう。」


王子が良いなあと呟く。




「さてと!後の新曲や既存曲決め宜しくお願いします。僕は今からポスターを貼りに街に行ってきます。」


会長が立ち上がった。


レコード店等にもアピールするらしい。会長やる気満々!!




「何か働き過ぎじゃない?大丈夫?」


クライスが心配そうに聞く。




「うーん?そう?大丈夫だけどクライスも手伝う?」


会長が笑いながら言うとクライスが勿論!と立ち上がった。




「車で行くんだけどね。ありがと。」


「いえいえ。交渉も大変だからね!」


じゃあ、ポスター貼りに行ってきます!と2人はレッスンルームを出ていった。


会長、これはデートか!いや、仕事だけど。




「じゃ、僕らも考えましょ。」


王子もやる気MAX!




レコードに入れた曲は入れると良いですよね。確かに知ってる曲ってあった方が良い。




「今回の曲調に合わせると元気な曲が良いよね。」


カインがWe are the worldは外せないとしてーと呟く。




「ユニットは省くでしょ?」


キャサリンが島唄に1票と言った。




ユニット3曲、個人2曲に《愛は勝つ》、《We are the world》、《島唄》と。


「結構決まったなあ。あと2曲とアンコールか。」


今回は何かスムーズに決まりそうだぞー!

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