第168話帰国
長いようで短い旅も終わりを迎える。
尚泰王とお妃に心からの感謝を述べ首里城を後にする。
バスに乗り琉球の町に別れを告げる。
「日焼けが痛い。」
「赤くなりましたねー。」
昨日の海を満喫し過ぎた。
空港への到着も凄く早い気がする。あっという間だったなあ。
何から何までお世話になった夏目さん。光国さんや吉宗さんにもご挨拶したい所だったが。琉球からそのまま帰国する。
「本当にありがとうございました!皆様に宜しくお伝え下さい。」
全員で深々とお辞儀をした。
「今度は此方からゆっくり外交の話をしに来ますよ。」
夏目さんは光国さんとまたボードウェン国に行きます!と約束してくれた。
「また今度!またお会いしましょう!」
最後まで手を振る。
また絶対来よう。プラゲ国。
「もー。空はいーやーだー!」
感慨深い思いを今日もカインがぶち壊す。
「カインが居ると涙も出ないわ。」
キャサリンがそう言うと皆、大きく頷く。
「でーもー。あー。浮いてきたー!待って待ってー!」
はいはい。頑張って睨みましょ。ルイスと罵声を浴びせながらカインを落ち着かせる。
恒例行事だなあ。
上空へ上がると落ち着いたし。
「取り敢えず、帰ったら王子の誕生日パーティーだなあ。」
今年は会長も参加だね。
「皆さん絶対参加ですよ!」
王子は誕生日を忘れていたのか慌てて皆に訴えた。
「行きますよー。社交辞令がまた大変ですねー。」
クライスは今回も御令嬢達のターゲットなんだろうな。
「クライス程では無いけど僕らもだよね。」
カイン、ジョージ、会長が溜息をつく。
「嫌そうな顔しないで下さいよ!!」
王子が拗ねている。
「あの!私、ブルーさんと参加して良いですか?!」
エミリアが目を輝かせて王子を見ている。
王子もキャサリンも是非!と笑顔で答えていた。
「もう、クライスとカインとジョージと会長でエスコートし合ったら良いんじゃないか?」
ルイスが笑いながら言うとめっちゃブーイングが来た。
「ルイスー。嫌味だ。」
「ルイスのアホー。」
「でも、それも面白いかもよ?僕と踊る?」
会長がシラっと誘っていた。会長半分本気だと思う。
「そうか。会長と踊ればもう御令嬢に付きまとわれ無くなるのか。なるほど。」
クライスは本気かも知れない。。
「ルナリー、ドレス借りるかい?」
ローズさんからまた有難いお話。助かるー。
「是非!借ります!」
「今年は嘘じゃないもんな?仮だけど婚約者として参加だぞ!」
「うん。いくらでも愛想笑いしてやるぜ!」
何か嬉しい。もう去年と違ってご想像にお任せしますじゃ無いんだもんなあ。
旅の疲れか夕食後は皆、早めに寝てしまった。
やっぱり後部スペースで私とルイスはごろ寝する。
「良かったな。プラゲ国。」
「うん。行って良かった。」
おやすみ。軽くキスをする。そっと抱き寄せられてそのまま温もりを感じながら眠りに着いた。
朝起きたらやっぱりローズさんとグレンさんに挟まれてたけど。
カインの絶叫を楽しみながら無事に帰国。
「姐さんもルイスも酷い!!笑いすぎ!!」
「もう、面白すぎるんだよ。」
久しぶりのボードウェン国だ!!
「あー!我が国が1番!」
王子が我が家が1番みたいな発言で飛行船を降りて伸びをしていた。
私達も
「うん!我が国が1番だ!!」
いつもの空気。見慣れた風景。
出迎えに王様とお妃様がいらっしゃって居た。
「只今戻りました!」
王子が一礼したのに合わせて礼をする。
「お帰りなさい、ジェファーソン、皆さん。楽しかったですか?」
「はい!!それはもう!!」
私設兵が沢山の楽器を降ろしているのを見て王様もお妃様も嬉しそうに微笑んでいた。
「頑張って新しい歌を演奏して下さいね。」
お妃様がキャサリンに笑顔を向けていた。
「はい!ありがとうございます。頑張ります!」
キャサリンは深々とお辞儀をした。
「今日は解散ですね!明日から練習したいですけど僕はパーティーの準備があるので。すみません。」
王子が申し訳なさそうに謝った。
「大丈夫!誕生日パーティーは大事だよ。」
皆の所も迎えが来始めた様だ。
「アレックスさん!!」
エミリアのお迎えはブルーさんが来てくれた。
「お帰りなさい。エミリア!」
2人とも嬉しそう。
「俺らも帰ろ。」
「お言葉に甘えて車乗せて。」
私はマッケンジー家の車に乗せてもらう。
本日は解散。我が家が1番。ゆっくり寝よう。
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