第157話琉球へ
「何かあっという間だったね。」
「もうラストの琉球ですか。」
SLも大阪へ着き駅構内へ向かう。
「結構、大荷物になりましたね。楽器。」
「私設兵の皆様、すみません。」
特に亊と小太鼓が大きくて申し訳ない感じだ。
駅構内には夏目さんが待っていてくれた。此方に気づいて手を振ってくれている。
『夏目様!お久しぶりです!』
『皆さんお久しぶりです。京は如何でした?』
と聞かれたので飛行場へ向かうバスの中で観世さんの話や御所での怖い出来事を話して聞かせた。
『お公家さんの扱いは難しいですからねえ。ご無事で良かったですよ。』
としみじみと仰った。
そしてこれから向かう琉球の話を聞いた。日本の歴史とは少し異なるが大まかな流れは同じで琉球国は薩摩藩の進行等を経てプラゲ国と統合したそうだ。
元々、琉球は海外貿易を行っていたそうで今でも独自ルートを持っているらしい。住民は琉球の方言と英語を話すそうだ。そこら辺は違うなあ。
飛行場に着いて飛行船へ向かう時に会長とルイスと歩いて居るとちょっと話しながら行きたいとキャサリンに呼び止められた。
「どうした?」
「琉球。私、着いたら泣くかも。」
キャサリンがポツリと言った。
「何か思い出があるの?」
キャサリンは小さく頷く。沖縄に生まれ中学校2年生まで楽しく生活していた。しかし、突然親の都合で東京に転校。転校先でイジメに会いその後は引き篭った前世。
「沖縄にずっと帰りたかったんだ。」
「そうだったのか。こっちに来て思い出したの?」
「うん。昨晩に夢でね。」
今まで解らなかった名前やイジメの原因や死因が解ったんだよね。そう言って俯いた。辛そうだな。もう既に泣きそうな顔してるし。
「前世が辛かった分、今世が楽しい。」
会長が笑いながら言った。
「私はブラック企業に勤めて過労死だよ?」
サラっと言える会長の発言が凄い。
「今はイジメられてないし素敵な王子も居るし!」
「幸せになる為に生まれ変わったんだろ?」
キャサリンはうん!と大きく頷いて笑った。
「通訳いらないなあ。」
「ダメでしょ!バレるって!」
じゃあ!沖縄の歌を沢山歌っていきたい!!
会長が是が非にでもと!言った。
「会長、好きなんですか?」
「もう、めちゃくちゃ好き!今までノネット・クライムで歌いたくて仕方なかったのをずっと我慢してきたんだよ!」
独特な歌い方がバレるのを敬遠してたそうだ。
「特にねルナリーに歌って欲しい歌があるのよ。」
琉球で歌を学ぶ!そして前世で好きだった歌を歌う。
楽しみになってきた。
飛行船に乗り込むとカインがスタンバイして居た。
「姐さん、ルイス。こんなに頻繁に飛行船に乗ると僕、死にそう。」
私達は逆に笑えて仕方ないんだよ。
「だから狡いって!カインだけってさあ!」
クライスが面白くなさそうにむっつりしていた。
『レイノースさんとバートリーさんは何故揉めてるんですか?』
夏目さんが不思議そうに見ている。
王子と大司教さんが上手く説明して納得してくれた。
『そうですか。面白そうですねえ。』
ボードウェン国に来た時にそう言えば少しブラック発言してたもんなあ。
飛行船が飛び立つ。カインが叫ぶ。
夏目さんは嬉しそうに
『レイノースさん。恥ずかしくないのですか?』
睨んだりはしていない。見下した様な目付き。
『大の男が飛行船を怖がる何てお子様です。』
夏目さんは通常時のカインに似ているな。
「でーもーこーわーいーー!!!」
ぷッダメでした。面白すぎる。夏目さん笑いながら喜んでいる。
「やっぱり姐さん助けて!」
仕方ないのでルイスと頑張った。
琉球へは2時間くらい。落ち着いたカインはぐったりしている。
そもそも九州と繋がっているのかなあ。
光国さんに見せて貰った地図はそうだった。
『夏目さん。琉球って。陸続き何ですか?』
変な事聞くなあと思われそうだけど。
『あー。それ僕も気になって居たんですよ。薩摩藩の隣が琉球何ですか?』
ルイスも上手く話に乗ってくれた。
『えーとですね。陸続きです。正確には干潮時に陸続きになります。』
と言うと?満潮時は1部海に沈んで島国状態になりますね。と言っていた。益々、解らんぞ。
『じゃあ、人が住めない地域があると言う事ですか?』
キャサリンも凄く気になる様だ。
『そうですね。満潮時に沈みますからね。』
多分、日本の沖縄部分が沈まない地域なのかなあ。
今、干潮時ですよ!外を見てみると空の上からだから凄く細い道に見えるが繋がってる!!
不思議ー!
そして琉球が見えてきた。
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