第150話会長の決意

キャサリンとエミリアの髪の色は茶色である。


えーとねー。多分、この公家さん死ぬ事になるよ?と言いたい所だが取り敢えずルイスもルイスの両親もあんまり意味が解っていない様だ。




『成りませぬ。国交が有りますのでそれは出来ませぬ!』


光国さんは睨みつけながら申している。


『光国さん?立場を解ってらっしゃいませぬなあ。』


麿は意地悪そうに光国さんを見た。光国さんは苦い顔で口を噤んだ。


『どちらでも構わぬぞよ。その子とその子。可愛いらしい。』


ん?麿が扇子で指し示したのはジョージとクライスだった。


えええええ!


声が出そうになるのを抑えた。自分かと思ってたのが恥ずかしい!!いや、そう言う問題では無い!


ジョージとクライスは意味が解っていない。


そうだ。会長って確か?見ると目を見開き唖然とした顔をしていた。


これはBLってヤツをこの麿は求めていると言う事だよな。


『権中納言殿!お頼申します。衆道なら儂が御相手致すゆえ!』


光国さんは土下座をした。


中納言って凄く偉い人だよな。


『光国さん。麿はそこの可愛いおのこが良いのじゃ。』


沈黙とイライラが続く。


意味が解らない王子が英語で小声で隣のキャサリンに聞いている。


「何の話?言葉が訛りで解らない。」


「この人がジョージかクライスと、、その。エッチをしたいと。」


そう言って顔を赤くして俯いた。


ヤバいぞ。王子キレるかもしれない。


その時だった。




会長が立ち上がった。


『権中納言殿?僕で如何でしょう?』


そう言って微笑んだ。


中納言は会長の顔を見てニヤリと厭らしい目で見た。


『うむ。良い良い。』


満足そうに会長を見詰めていた。




光国さんは驚愕の顔をして英語で


「フォワード殿!その様な事するでない!」


と言ったが会長は首を振った。


「権力的に光国殿より上なのでしょう?ジョージとクライスを守る為なら僕がやります。」


会長は無表情で冷酷にそう言い放った。




中納言はふふっと気持ち悪い笑いをしながら


『麿は湯浴みをして来ようかのう。』


連れの公家に後で会長を連れて来いと言っているようだった。


「夜伽って夜するんじゃねーのかよ?今から?アホだろ!」


ボードウェン語でキレだした私に光国さんが落ち着けと言った。


「待って話が解らない。会長が?何するの?」


ジョージとクライスが聞いてきたので説明してやると青ざめてどうしようと言って黙ってしまった。




「僕が良いと言っているんだよ。大丈夫だ。」


会長は冷静にそう言うが私達が落ち着かない。




『煩い。光国殿、黙らせおし!』


公家が光国さんに言う。


「少し声を抑えてくれ。黙れと言われた。」


光国さんは間に入って大変そうだがヒートアップしてしまっている。


「もう帰りましょう!」


「あのクソ殺るか?」


「落ち着けルイス。考えよう。」




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




公家がクライスとジョージを指した時は正直驚いた。


恐れていたが衆道を此処で求められるとは思わなかったな。


金の髪と公家が言った時はルナリーかと思ったが。ルナリーでなくて良かった。御所が血の海になる所だった。




さて、公家に向かって僕でどうですか?と言う。




お前何かにクライスとジョージを渡してたまるか!


私にも意地がある。




こんな奴に抱かれるのは気持ち悪いが守る。絶対に守らなきゃならない。


クライスとジョージは絶対守る!!




でも、、相手は選びたかったな。


もう少しイケメンが良かった。クライスやジョージが無理としてもさあ。最低でも吉宗殿や光国殿だろ?


公家かよ。




直ぐに終わるよね。ちょっと我慢すれば良いかって。


もー。みんなヒートアップし過ぎだ!!


こっちが覚悟したって言うのにさあ。






・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




「国交はしないとしても。此処で問題を起こしたら光国殿が殺されますよ。」


会長が光国さんにも解る様に英語で言った。


「いや、儂の事は気にするな!」




気にするよ。会長の一言で皆、黙ってしまった。


王子は特にイライラしている様に見える。


「僕が、僕が?行こうか!会長!」


そう言って暴走気味だ。




「奴より権力者に頼めないのかな?」


大司教さんが口を開いた。無理を承知だけどねと。


「ジェファーソン様、我が国で言うならあの男は伯爵家くらいの身分です。光国殿は子爵家くらいと考えて下さい。侯爵家、公爵家レベル若しくは王家、または私の様な大司教程度の人物が必要なのですよ。」




「あの人、そんなに身分高いんだ。」


何か良い案は無いかと考えていたカインもそれを聞いて唇を噛み締めた。


「そもそも僕とジョージだよね?指されたの。じゃ僕が行く!」


クライスが少し涙目で会長を見た。


「そうだよ。会長!僕が行く。。うん。」


ジョージも俯いて泣くのを我慢している。




会長は大きく溜息をついてクライスとジョージを見た。


「気にしなくて良いんだよ。全く!庇った意味が無い。僕なら上手くやれるから。大丈夫。」


こういう時の会長は冷静な顔を崩さない。


会長は確かに前世は女性だけどこんな事したい筈ない。


自分を犠牲にしてクライスとジョージを本当に守りたいんだ。




「解った!土下座してでも何をしてでも助けてくれる人物を連れて来る!時間を稼いでくれ!」


光国さんが決意した様に言った。




「御願いします。僕らで何とか耐えますから!直ぐに向かって下さい!」


王子が光国さんに頭を下げた。

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