第110話打ち上げ!

会長の親も社長さんって言ってたなあ。


財閥の家ほどではないけど豪邸だった。


「パーティルームとかは無いから客間で良いよね?」


そう言って通されたが充分に広い。


10人~20人規模のパーティなら出来そうだ。




警護人がいるのは財閥だけなんだなあ。玄関には守衛さんみたいな人が1人居たけど。メイドさんはいるのかー。




客間にはメンバーが全員座れるサイズの大きな木の1枚板のテーブルがあって料理が運ばれて来た。


「会長宅も広いですねー!」


私が関心しているとまあ、ぼちぼちねと言いながら飲み物をついでくれた。




「デビュー成功を祝って!乾杯!」




「楽しかったー!歌うより毎回チェロが精神的に楽だー!」


ジョージが嬉しそうにノンアルコールシャンパンを飲んだ。




「あー。今度の曲ってさあ。ピチカートでやって欲しいんだよねー」


ギター無いから。。


「やった!またチェロでいいの?!」


コントラバス使える?と聞くとそれでもOKと言ってくれた。




会長の家にも料理人が居るんだろうなあ。レストランで食べるようなパスタが非常に美味しい。




談笑に花が咲く。




会長がちょっと来てと言うので客間を出て会長の部屋に案内される。


「見せたかったんだよ!」


図書館で借りたと言う地図だった。




学校の授業で使う地図は国交がある国や近隣諸国しか載っていない。


世界地図は前世で見た地図とは異なっていた。




「何かとても違和感。」


私がそう言うと会長も頷いた。


「異世界なんだと改めて考えさせられるよね。」




ここね。会長が指した場所はボードウェンから東の方向。やはり島国だった。


「小さいね。距離的には南ピアーナより少し遠いくらいかな?」


「多分ね。陸路が使えないから船か飛行船だよね。」




どうやって行くかが問題だよなあ。


飛行機がバンバン飛んでた時代なら行けるんだろけど。


「この国の情報をもう少し調べてから行動しよう。行くかどうかはそれ次第!」


さあ、怪しまれるから客間に戻ろうと促される。




客間に戻ると王子とキャサリンが冷やかされて盛りがっていた。


「結婚認められたんだー!良かったねー!」


クライスに言われてキャサリンの頬が赤くなっている。




さっきの王妃の話しだろうな。




「やっぱり歌の力って凄いわ。あの王妃様が認めてくれたんですもの!」


キャサリンも意気込んでいる。




「僕もこのまま上手く行くなら卒業後も音楽続けて行けそう。」


会長がニヤリと笑って話に加わる。




「ジェファーソン、評判が上がって人気出たらコンサート開かない?」


「目指せ国立音楽ホールですよね!」


クライスとカインはうっとりと夢見がちに語る。


コンサートか!管弦楽団の様な事出来たら確かに良いなあ。




「僕らだけのコンサートか。10曲?~15曲?くらい作れたらいけるかな。」


王子の目がキラキラしてきた。あっ。お祭りモードに入りそう。


楽しそうな事が好きだよなあ。




「曲を作れる様にならないとなあ。何かこの硬い頭を打開したい。。」




「国交が無い土地に音楽を聞きに行くってのが良いかもよ?新しい新境地が開けたりして!」


私がそう言うと王子の目がパッと開いた。




「それも良いかも。国交が無い国か。直ぐには難しいだろうなあ。でも、新しい音楽があるかもしれないし。」


ブツブツと考え始めた。




「それってプラゲの事でしょ?」


キャサリンが耳元で囁く。そうそうと頷く。


「考えたね、ルナリー。」


会長も背後から呟く。


「飛行船も船も王子なら用意出来るじゃん?」




「ジェファーソンは行動力あるから変な国に決めない様にしとけよ」


ルイスがキャサリンの肩をポンと叩いた。




曲作りに練習に、プラゲの調査。


来週はルイスの誕生日か。私達って忙しいよね。。

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