第50話ババ抜き大会


こう言う時のババ抜きって結構盛り上がるもんだ。


「ルイス強え」


「1抜け!!」


ババ抜き攻防中。


「うわっ!」


あっクライスにババ行った。ぷぷぷ。


楽しい。


「まーけーたー。もう1回!!」


「生徒会長もやろーぜー」


1人つまらなさそうなので誘って見る。澄まして此方を見たがやりたそうに見える。


「やりましょうよ」


ジョージにも誘われ仕方ないなと言う風にやって来た。




はい!2回戦目!


今、ババを引いたのに顔色1つ変えねえ。流石だサイボーグ。


空気と言えども居心地の悪い空気出されちゃ堪らんからなあ。


「あっ!」


エミリアちゃん声出しちゃダメよー。


流石にババ抜き慣れしている私とキャサリンとルイスは上手い。


後、サイボーグ。


王子に行ったな。


「くそー。僕かぁ」


王子が負けた。平等で楽しいものだ。




「ジェファーソン様、お昼にしませんか?」


メイドが此方に来た。


お昼の機内食はサンドイッチ。


このまま仲良く席に戻らず食べる。遠足の様だ。




「生徒会長はパートは?」


声楽科って言ってたもんな。


「テノール。正確にはカウンターテノール」


おおおおお!凄いの来た!


「凄い!聞きたい!!」


クライスが食いつく。


「同じく!聞きたい!」


私も手を上げる。流石、生徒会長!普通じゃない。




「まあ。良いけど。」


少し不満そうに生徒会長はサンドイッチを頬張っている。




「なかなか居ないですよねカウンターテノールって」


アルトのキャサリンと同じ音程で歌える男性になるからなあ。




「えーと。1つお聞きして良いですか?」


生徒会長が静かに此方を見てくる。


「調べた所、全員が声楽科ではないようですが?どう言うきっかけで歌を?」


まあ確かに。


「文化祭でグループを作りまして。その後、僕の誕生日で歌を皆で披露してくれたんです。それを大司教様が気に入ってくれてこの海外遠征まで至りました」


王子が簡潔に説明してくれた。




「なるほど。そうでしたか」


そう言ってまたモグモグと食べ始めた。


王家のサンドイッチ美味いよなあ。野菜もハムも高級そう。




「姐さん、美味しそうに食べるよねぇ」


カインが笑いながら此方を見てくる。元気になって良かったよ。




「姉さん?」


生徒会長が不思議そうに聞いてくる。


「あぁ。僕とクライスは姐さんの舎弟なんですよ。弟みたいな者です」


ふふっとカインが嬉しそうに生徒会長に微笑む。


普通に聞いたら姉弟?って間違えるか。姉貴に変えさせようかな。




昼食後、休憩をして歌披露タイム。




生徒会長が余り乗り気でないのでOh,happy,dayの楽譜を渡して見る。


「一緒に歌おー!」


生徒会長だし初見で行けるだろう。


そして、このソロ。本当はカウンターテノールがぴったりなのだ。


キャサリンとユニゾンだな。


「生徒会長このアルトの所お願いします」


生徒会長は楽譜を一通り見て了承してくれた。




「Oh!happy,day!」


良い声している。皆も歌いながら生徒会長を見ている。上手い。


高い声だ。


初見にしてはなかなか。




「生徒会長凄いですね!」


王子の目もキラキラしている。


「いや、特に凄くは」


生徒会長は淡々とかわしている。




夜ご飯の機内食も食べ寝るか!と言う感じになった。


皆、席に着きリラックスしている。


王子とキャサリン楽しそうだ。




此処でゴロ寝したい。私は後方スペースでゴロゴロしていた。


「俺も。。」


ルイスが横にゴロっと寝て来た。照れる。


「キャサリンの事件。見当違いな事してごめん」


皆には聞こえないようにボソッっと呟いて来た。


気にしてたんだな。


「あの時点で誰がどうなるか何て解らなかったよ」


ルイスは私を本当に心配してくれたんだから。


「結果オーライと思うしかないし。」


私はゴロっと動いてルイスと距離を縮める。


「守るって言ってくれて嬉しかった」


ルイスの顔が直ぐ傍にある。キスしたいなあ。


「うん。守りたかったし。」


そう言ってルイスは顔を赤らめながらゴロっと移動して距離を取られてしまった。




その後はバカ話をしながらそのままゴロ寝で就寝してしまった。


隣にルイスが居る。幸せすぎる。

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