第40話断罪イベントをぶっ壊せ!①
バタン!!ノックもせず遠慮なく生徒会室に私は踏み込んだ。
「この貼り紙はどういう事だ?」
中には生徒会長らしき学生が椅子に座っていてそのサイドに生徒会役員らしき学生2名。壁際にキャサリンの取り巻き令嬢?
そして生徒会長の前にキャサリンの後ろ姿があった。
振り返ったキャサリンは呼吸が荒く今にも倒れそうだった。
「キャサリン!」
ハァハァと細かく息をし虚ろな様子で。
「過呼吸か。ジョージ頼む」
ジョージは医者の息子らしくキャサリンを座らせ一先ずハンカチを口に当てて過呼吸を抑えようとしてくれた。
「まだ話は終わっていません。フラームさん」
生徒会長らしき男が厳しい表情を見せる。
私は睨みつける。
「バカか?今、過呼吸で苦しんでいる。」
ダン!!と机を叩きそのまま座り
「私が代わりに聞いてやる話せ!」
と見下すように睨みつけた。
「貴女も苛めに会っていたのではないのですか?ウェールズさん?」
生徒会長は紙に書いてある調書を私に差し出した。
そこには苛めに合っていると言う生徒の署名があった。
1年から3年まで全員、庶民。大体知っている名前だ。
1番下に。。
エミリア・ブラウン
「これはどう言う事だ?エミリアは友達だ。文化祭も一緒に出たから解るだろう?」
私は更に睨みつける。
「しかし、署名されてますから。陰では苛められていたんでしょう。可哀想に」
胸ぐらを掴んでやりたかったがグッと堪える。
「署名されている方がこの学校の庶民10人中9人です。貴女も怯えず訴えて良いのですよ。ウェールズさん」
生徒会長は事務的に淡々と話す。ある意味肝の座った野郎だな。
ガン飛ばしただけで逃げる令嬢とは違う。
「私はキャサリンとは友達だ。苛めにあった覚えはない」
「嘘ですわ!ピアノ科と声楽科の合同実習の時、フラームさんはジェファーソン様とペアになったウェールズさんを脅しましたわ!!」
取り巻き令嬢の1人がニヤっと笑って生徒会長に訴える。
「私はキャサリンには脅されてないよ。キャサリンは一言もしゃべってねーし。その時、脅したのはお前だろ?」
私はそいつを思いっ切り睨み付ける。
その令嬢はビクッと怯んだが別の令嬢が
「フラームさんにやれと言われてやりました!」
と言い出した。殴りてぇ。。
「あれー?キャサリンとルナリーは合同実習でペアを組み仲良く連弾し2人で歌ってましたよ?」
ドSスイッチの入ったカインがフッと笑って話しを始めた。
「見てましたよ。キャサリンの周りに集まって歌声を褒めたたえてましたよね。貴女も!貴女も!」
令嬢を1人1人指さして行く。
「脅し?可笑しいなあ?脅されて苛めに合うような人がキャサリンを庇いに来ますかね?生徒会長さん?」
「エミリアもキャサリンが大好きですよ。可笑しいなあ?逆に脅してませんか貴女達」
ちらっと令嬢達を見た。
カインのお陰で頭が冷静になって来た。あのエミリアの態度はコイツらに署名させられたから逃げたんだ。しかも普通じゃないやり方で強引に署名させられたんだろう。
トントン!生徒会室がノックされるや否や
「キャサリン!!!」
王子が慌てた様子で入室して来た。外交よりキャサリンを取ったか。ありがとうと後ろに居るルイスに目配せした。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
子供の頃はしょっちゅう入り浸っていたボードウェン家の城。
此処に顔パスで入れるのは俺とキャサリンとクライスくらいだろう。
相変わらずルナリーは無茶を言うが何としてでもジェファーソンを連れて行かねば男が廃る!!
他国からの客は王と従者であるようだ。
割と親しい家来に頼んでジェファーソンを呼び出して貰う。
「ルイス?」
何故此処に?と言う顔をしてやって来た。
「キャサリンが一大事なんだ!」
その一言で彼の顔色が急変した。ルナリーの言った通りだ。自分の事は鈍い癖に周りの事には良く気が付く奴だ。
「キャサリンに何かあったのか?」
ジェファーソンは詰め寄って来る。俺は掲示板の話をした。勿論事実無根だと言うことも。
「謹慎処分に退学処分だと?!」
俺は10年来の友達だがジェファーソンが本気でキレた顔を初めて見た。
「直ぐに学院へ行く!」
ジェファーソンは自室で急いで制服に着替えに行った。
「もう行く事になったけど。ルナリーから伝言。外交と婚約者どっちが大事だ?!ってさ」
俺はニヤっと笑ってジェファーソンにヘルメットを投げる。
「もちろん婚約者だ!」
ジェファーソンは顔を赤くして俺の後ろへ座った
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