第12話顔合わせ!


夏休み初日!


テスト等も会ったので全員での初顔合わせになる。


学校の割と広めのレッスンルームを借りている。2年、3年も居る中広いレッスンルームを借りられるとは権力者達なんだなあと改めて思う。




「おーす!舎弟達早いな」


カインとクライスはもう来ていた。


「練習中も沢山注意して睨んで下さいね」


「あっ。僕は馬鹿にした様な顔でお願いします」


相変わらずだ。


「いや、気持ち悪いんだよお前ら」


凄く嫌な顔をすると逆に嬉しそうだった。




トントンとノックが聞こえてエミリアが入ってきた。


「初めましてエミリア・ブラウンです。」


続いてキャサリンと王子が来た。よっ!お二人さんとか声掛けたい所だが止めておこう。




「ご招待ありがとう。ウェールズさん」


「こちらこそ無理を言って申し訳ございません」


ペコペコと頭を下げる。




「あと1人は?ヴァイオリン」


キャサリンが聞いてきた。そろそろ来る筈なんだけど。




「どうも」


ルイスが入って来た。




「ルイスじゃないか!久しぶり!」


王子とクライスとキャサリンは知り合いらしい。


やはりお金持ちか。




「今日は自己紹介と曲決めをしまーす」


椅子を円状に並べて座る




「ルナリー・ウェールズです。パートはソプラノ。ルナリーって呼んで下さい。因みに庶民です」


普段より言葉使いは綺麗にね。キャサリンが笑いを堪えているように見える。




「クライス・バートリーです。テノールです。」


「カイン・レイノースです。パートはバスですがバリトンもいけます」


「キャサリン・フラームです。本来ピアノ科なんですがアルトパートで出ます。宜しく」


「ジェファーソン・ボードウェンだ。この国の王子だが気楽に接して欲しい。ちなみにピアノを担当する」




「エミリア・ブラウンです!あの!場違いかも知れませんが頑張ります。フルートです」


「ルイス・マッケンジー。ヴァイオリン奏者です」




よしよし!最高メンバー!


「曲決めしましょ!ご意見お願いします」


皆、悩む。


「混声4部合唱にフルートとヴァイオリンの楽譜を足していくか」


「オペラから行くか」


「交響曲は?」


そこが難しい所なんだよ。ゲームでも主人公は4人で出たみたいだしなあ。


「混声、ピアノ、ヴァイオリン、フルート。うーん」


「あっ!我が祖国は?」


混声難易度は中くらいだが綺麗な曲だ




「モルダウね。なるほど」


キャサリンが頷く


悪くないのではと言う空気が流れる




「モルダウやるならチェロが欲しい」


ルイスが言ってきた。なるほどそうか。


「チェロか」




「管弦楽科から良い人居ないのかい?」


そう聞かれたルイスは悩んでいるようだった。




「ピアノ科のジョージ」


こりゃびっくり攻略対象者か。




「ジョージ・アンダーソンはピアノ科と管弦楽科と何方を受験するか直前まで迷っていたから。正直、チェロは今のうちの科の奴らより上手い。」


攻略対象者だけど仕方ないな




ジョージのお誘いはルイスにお願いした。




そろそろ猫被りが限界を迎えようとしている。


「大変、申し訳ないのですが!王子とルイス様。タメ口でも良いですか?」


ん?と言う顔をして2人が見返す。




「悪ぃ。話し方ずっと敬語だと身が持たねぇ」


私はペコりと頭を下げノリノリで発声を始めた




「すみません。うちの姐さんが」


「ボードウェン様にタメ口とか本当にすみません」


とカインとクライスが謝っていた。




王子は笑っていたし、ルイスは少し不機嫌そうだった。




「気にしないでルナリー、うちのキャサリンと随分仲良くしてもらっているし。これからも宜しくね」


王子がそう言った事でキャサリンが横で顔を真っ赤にしていた。




「うちのキャサリン、、うちのキャサリン」


嬉しそうだが倒れないか心配だ。

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