第7話実習発表
準備万端!気合い上等!
皆、そこそこ上手い中でやはり攻略対象者と言うのはずば抜けていた。
クライスはテノールで非常に伸びのある声をしている。そして華やかだ。歌ってる最中のお嬢さん達の視線は正にハートと言った所だ。
一方でカインはベース。重低音ボイス!この前、絡まれた時はバリトンくらいの声かと思ってたけど。この低音かよ。主人公がハイスペック?とキャサリンは言うが攻略対象者もハイスペックだよ。
主人公もこの華のある歌声か重低音ボイスに惚れちゃう設定なんだろうなあ。記憶なかったら確かに声だけには好感度高いかも。
そして王子のピアノも素晴らしい。歌声を引き立たせる。
キャサリンの目が幸せそうに王子を見詰めていた。何とかしてやりてーな。
「次だぞ!」
キャサリンがビクッとする。緊張してるなー。大丈夫かよ。
「次、フラームさんとウェールズさん」
教師が前のやつの評価を付けながら私達の名前を呼んだ。
「だっ大丈夫かしら」
キャサリン震えている。何でこんなんでビビるかね
「喧嘩上等!」←日本語で
私がキャサリンの背中をバンと叩く
「貴女って。。もう!こっちの言葉で話してたら絶対不味いわよ!!」
プリプリ怒っている。おー。悪役顔だなー。
「笑顔、笑顔!」
私はキャサリンの手を取ってピアノの元へ行く
「キャサリン・フラーム、ルナリー・ウェールズですよろしくお願いします」
一礼して2人でピアノに座る。
教室内は少しザワザワした。キャサリンじゃなかったら文句付けられる所なんだろうけど。こいつの地位ってやはり美味しい。
私とキャサリンは目を合わせピアノに向かう。
せーの!
前奏はピアノのみ。丁度歌い出しを弾くようなメロディだ。
そして歌い出し。最初の1音はいきなり高い。そしてはっきりと。
2人で奏でるピアノに合わせてソプラノとアルトが綺麗なユニゾンを組む
教室からは歓喜のような溜息が漏れていた
良しラスト。抜かりなく高音で
歌い終わると拍手喝采だった。私達はニヤリと見詰め合う。
そして一礼した。
「素晴らしい演奏でした。フラームさん、ウェールズさん」
先生も笑顔だったし。まず成功だろう。
「キャサリンは綺麗なアルトだったんだね」
王子が話し掛けていた。キャサリンは真っ赤な顔をしている
おぉ!進展してるじゃん!良かった良かった!
席に着くとキャサリンが耳元で
「ジェファーソン様に褒められた!初めて褒められた!」
と興奮していた
授業が終わるとキャサリンの取り巻き達が
「フラーム様天才ですわ」
等とめっちゃヨイショしていた。
「じゃ、またな!頑張れよ!」
キャサリンに手を振って教室に戻ろうとすると腕を捕まれた
ん?
「ルナリー!また。よろしく。科は違うけど遊びに行くから」
キャサリンは他のお嬢さんの手前も有るのだろうけどそう言った。私は大きく頷き教室へ戻った。
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