第2話早速絡まれる
国の名前はボードウェン。馬鹿でも解る。前世には無かった。
入学するアリア音楽学院高等学校は音楽を愛する王様が建てた学校だ。
大抵は小さい頃からピアノやヴァイオリン、声楽をやって来たお坊ちゃんお嬢ちゃんしか入れない。
中流家庭からの入学は声楽科は私だけな様だ。
何だか知らねーけど才能あるんだよなあ。
あー。ダチが出来る気がしねえ。元々、レディースのメンバー以外とは付き合いなかったしなあ。
そうだこの学校でも友達出来ねーんじゃなかったっけな。
ラッキー。
お嬢ちゃん、お坊ちゃんが高貴なオーラ出してんなー。
入学して初めての歌の授業が始まった。
助かるのは普通の勉強がこの学校は少ない事だ。今までは真面目に勉強して来たが今後やれる気がしないので良かった良かった。
授業は1人ずつの比較的簡単な独唱曲だった。
何でも良いのか。
私は「私を泣かせてください」と言う曲を選択する。
ソプラノの綺麗な曲だ。
唄い終わった時、教室中拍手喝采だった。
私、やっぱうめーじゃん!
席に座ると隣の男が話し掛けて来た。
「ルナリー、綺麗で繊細な声だね。素敵だったよ」
見た目は良いが優男な男は甘ったるいセリフを吐いてくる。
「あー。ありがとよ。」
と言うとビックリした顔をされた。しまったー。言葉使い。
まっ良いかどーでも良い奴だし。
そして放課後、お嬢ちゃん達に絡まれる。
どうやら話しかけて来た優男はクライス・バートリーとか言う大金持ちで皆の憧れらしい。
「庶民のくせに!」
「庶民は手がお早いですわね!」
「バートリー様に話し掛けられて調子に乗っているのかしら?」
めんどくせぇ。
はい。正しいガン飛ばし方!
下から上へ睨みまーす。
目が合ったら更に睨み凄みをきかせて
「ああ?!」
お嬢ちゃん達がビクッとして後ろへ下がる。
「ちょっと何よ。。」
「行きましょ!」
バタバタと逃げていく。
踏んでる場数が違うんだよ!と思って帰ろうとすると背後に視線を感じた。
「げっ。」
思わず声が漏れた。
「今日は。ウェールズさん。大丈夫?」
天使の様な微笑みを見せた優男は確かクラスメイトだ。
「あっ。大丈夫ですよー。」
見られたかなー。逃げようと足早に横を通ろうとすると軽く腕を掴まれる。
「本当に?」
何もねぇし。
この外見だと勘違いされるんだろうなあ。
「僕はカイン・レイノース。宜しくね」
「はあ。宜しく御願いします」
私は一礼してその場を立ち去る。
「カッコいい。あの強い睨み。こんな理想的な子初めてだ」
カインは呟く。彼はドMであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます