引きこもりになった理由
理由を色々考えてみたけど、やはり心療内科に通い、服薬を始めたことが原因だと思う。
通い始めた原因は社交不安障害という病気。
簡単に言うと重度のあがり症。
昔から人前が本当に苦手で少しのことでも声が震えたり、手が震えた。仕事だと電話を出る時も、お客さんにお茶を出す時も周りに心配されるぐらい手が震えていた。
同僚とお昼にラーメンを食べに行ったんだけど、手が震えて前の台に置かれたラーメンを降ろすこともできなかった。
合同研修でお寺にいくつかの企業で修行に行った時のこともすごく覚えている。
お寺のお昼は会話をするのも駄目だし、残さず食べるのがルール。だけど特に誰かが見てるわけじゃないんだけど、手が震えて全く口に運べず1人だけ残すことになった。その時に体調が悪いフリをするしかなくて、同僚に大丈夫?なんて声を掛けられた時はすごく虚しくなった。
流石にどうにかしないとと思い、ネットで調べて社交不安障害にたどり着いた。社交不安障害と言う病気を知った時はすごく気分が楽になったのを覚えている。
自分と同じ人がいるんだなという安心感と、そこに書いてあった、'薬で治ります'という言葉に救われた気がした。
早速心療内科に行ってみて、最初に処方されたのは気分を落ち着かせる薬。仕事に行く前とお昼過ぎに、誰かにバレるのは嫌だから隠れて飲んだ。けど確かに気持ちは落ち着くんだけど、どうしても体調によって全く効かない時もあった。
そこの病院の先生は全く人の目を見ずに話す人だから、不信感も出てきて違う病院に通い始めた。
そして処方されたのが原因となった、セロトニンという幸せホルモンを増やす薬。あがり症の人は人よりセロトニンの量が少ないらしく、セロトニンを増やすことで改善していくらしい。実は鬱病の人もこの薬を飲むことが多い。以前の薬に比べてこの薬はすごく効果があった。
このセロトニンを増やす薬を飲み始めると明らかに効果を感じることができた。
気分が良くなったし、手の震えも以前よりマシになった。引きこもる前に上限まで飲んでいた頃は、仕事のプレゼンも堂々と出来るところまで改善された。
ただ少し違和感があったのは薬を飲むと、気分が凄く上がっていたことだ。周りの友達に変わったねと言われるぐらい性格も明るくなったし、何より怖いもの知らずになっていた。いつもならブレーキを踏んでいたところも、躊躇なく飛び込むようになっていた。
人前で堂々と振る舞えるのがすごく楽しかったし、仕事も本当に楽しかった。ただそれが続いたのは1年ぐらいで、薬で気分が上がってた分一気に落ちた。朝起きて仕事に行こうとしても全く気分が乗らない。仕事以外も全くやる気が出なかった。
そのまま仕事に行かなくなり、全く外に出る気にもならず引きこもりになった。
気分が異常に落ちてるのもあり仕事に行かなくなった自分がすごく情けなくなった。次の仕事見つけようなんて気は全くおきず、
"自分は駄目な人間なんだ、自分なんて死んだ方がいいんだ。"
という思いがずっと頭をぐるぐるしていた。
そして壁に書いたのが最初に紹介したこの言葉。
"勝手に産んだのお前らだろ。要らないなら産むなよ。死にたい。"
今考えるとすごく異常な精神状態だ。
今は最初よりだいぶ気分が落ち着いてると思う。情けなくて死にたいと思う気持ちは変わらないけど。
恥ずかしい話だけど、今は携帯もなにもかも料金を支払わず解約になった。引きこもった当初は正直料金を支払うなんて考える余裕はなかった。気持ちが落ち着いた頃には全て無くなっていた。携帯も繋がらないし、お金も無くなった。これを投稿してるのだって親がいない時にテザリングしている。なんて情けない話だ。
薬を飲まなければまた元どおりになる。何をしても人の目に怯える生活。何をしても震える情けない自分のまま頑張る勇気がどうしても持てない。かといって薬を飲めばまたおかしくなるだろう。一体どうすればいいのか。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます