100万円払えば苦しまずに死ねる世界で、あなたは生きることを選択しますか?

若宮ナオ

安楽死が認められた世界

安楽死許可法案の設立

2050年1月1日、政府は"安楽死許可法案"を可決した。


要は、"死ぬ権利"が成人した全国民に認められたのだ。


可決されるまでに賛否両論の様々な意見が飛び交った。



-自ら死を選択できる権利を与えるのは、一生懸命生きている生命への冒涜ではないか


-生きる権利があれば死ぬ権利があるのは当然だ


-苦しみながらも生きていくことにこそ、意味があるんだ


-生きることが死ぬよりも辛い人だっている。そういう人の救いになる良い制度だと思う



事前の国民アンケートでは、少し反対が多かった。

しかしそれほど差はなく、全国民が固唾を飲んで結果を見守っていた中、"可決"と発表された。


可決の判断には、現在の国の状況も大きく関係したと言われている。


政党の交代が何度も行われたが、長期的な不景気から抜け出せずにいたのだ。

それにより、将来に不安を感じた若者の自殺や引きこもりが激増。

少子高齢化もあり、若者の働き手が足りなくなった。


20年程前に年金制度も崩壊し、死ぬまで働く人も多くいた。

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