文章における「時間の流れ」の感じ方と、文章のテンポ

映像作品において、スローモーションと早回しは古典的な演出だ。


時間をゆっくりに感じさせたい場合に、スローモーションを用いる。物理的に時間を遅くしているから、一目で時間の流れがゆっくりになっているのがわかる。「時間の流れがゆっくりに感じる」という表現では、スローモーション以外にも長回しなどの手法がある。


じゃあ、小説における「時間の流れの感じ方」の表現というのは何なんだろう。


たとえば身体能力強化系の能力を用いたスピーディな戦闘において、速度感を文章で表現するにはどうしたらいいか。


僕が好きな「ウィザーズ・ブレイン」の戦闘描写では、適度に省くというのをやっているように感じる。


パラパラ漫画のイメージ。動きの開始地点と終わりの2コマだけ描くと、動きが素早く感じる。中間の動きを足せば足すほど、動きはゆっくりに感じられる。


適度に描写を省くことで、スピーディに感じるというのはこういう理屈なのかもしれない。知らんけど。


他にも、たとえば一文を短くするのも効果がありそうだ。これは読者の読む時間が短くなるため、イメージも早くなるという感じ。


逆にゆっくりにしたいときは、緻密に描写するというのがよく使われるように思う。キャラの動きや背景の動きなどをじっくりと描写することで、遅いイメージになる。


ショックを受けて時間がゆっくりに感じるというシチュエーションだと、同時に音が遠のくような描写が入ることも多いよね。敢えて本来あるはずの誰かの台詞を省いたり、途中で途切れるような書き方をしたり……。


一文を敢えて、わかりにくさを感じない程度に長くするというのも効果がありそう。知らんけど。


こういう緩急の表現があると、個人的には飽きずに読めるから好きだ。


文章にもテンポというものがある。たとえばこういう文章だと、短文で接続詞や指示語などを省くとテンポが非常に速く感じられる。逆に一文を長くして接続詞や指示語などをしっかり丁寧に入れると、テンポが遅めになる。


僕は普段の仕事で記事を書くときに、文章のテンポをかなり気にする。人の記事の修正指示をするときに「文章のテンポが早すぎる」と指摘したら、「テンポとは?」と質問を投げかけられたから、恐らく一般的ではないのだろうが。


今の文章が、こういう文章ならテンポが早いということになる。


僕は文章のテンポをかなり気にする。人の記事を修正指示することがある。文章のテンポが早すぎると指摘した。「テンポとは?」と質問を投げかけられた。恐らく一般的ではないのだろう。


こういうテンポの文章が5000文字とか続くと、早すぎて内容が頭に残らない。そのうえ、単調に感じる。


一般的なテンポの文章のなかに、たまにこういう早いテンポの文章が混ざると、緩急が生まれて読みやすい。


あとは、体言止めが使われる頻度もテンポに影響を与える。体言止めが続くと、テンポが早くなる。


スピーディな戦闘描写を書く人は、体言止めでテンポを速くする方法を使いがちな気がする。「跳躍」「静止」「抜刀」「一閃」とか、体言止めにしやすい言葉が戦闘描写に多いのもあるかもしれない。


「一閃」とか、丁寧に書くと結構な文字数になるよね。「剣を水平に構え、相手の懐めがけて薙ぎ払う」みたいな。こういうのを「一閃」だけで済ませることで省略しつつ、体言止めでテンポを速めて速度感を出す感じだと思う。


ただ、テンポを意識した文章は手癖で書いてるとなかなか書けない。しっかりと考えながら書くか、推敲時にテンポを意識して見直しをするかということになる。


実際、今この文章を僕は手癖で書いているけど、テンポがほぼ一定だからね。


ネット小説を読んでいると、テンポが一定なものがそれなりに多い。


僕も今書いている小説で、気を付けたいと思うよ。

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