渾身の一球
勝利だギューちゃん
第1話
俺は今、プロ野球のマウンドの上に立っている。
幼い頃の夢が、今になって叶った。
目の先には、キャッチャーにアンパイア。
それに、バッターがいる。
今から俺は、渾身のボールを投げる。
最初の、そして、最後でなるであろう一球を・・・
俺は、大きく振りかぶった・・・
小さい頃に、プロ野球選手に憧れた。
テレビの、そしてスタンドから見る選手は、とても輝いて見えた。
いつか自分も、そこに立ちたいと思っていた。
だが、俺にはどうあがいても、無理だった。
小学生から高校まで、野球をやっていたが、
どれも、レギュラーはおろか、ベンチ入りすら出来なかった。
その程度のレベルの俺は、プロは無理。
それならば、せめて夢の中で叶えたい。
そう思い、野球を題材にした漫画を描いた。
世の中、何が起こるか分からない。
不思議な事に、この漫画が認められ、世に知られる事になった。
漫画家というのは、不規則な世界なので、
体力と忍耐力が必要となる。
ベンチ入りすら出来なかったが、野球をしていたおかげで、
その体力と忍耐力が、養われた事は感謝している。
それから、何年かの時が流れた・・・
そして、ひいきチームを告げたところ、招待されて、
始球式を行う事になった。
憧れだった、プロのユニホームを着て、今、マウンドにいる。
これまでの事が、走馬灯のように頭をよぎる。
さあ、今こそぶつけよう。
長年の想いを・・・
俺の右腕から、今、ボールが解き放たれた・・・
渾身の一球が・・・
渾身の一球 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu
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