第2話

誰かがそこに置いたのか、始めにそこにあったのか。

 そんな歌もいつか聞いたような気がする。

二十歳と数ヶ月、自分の幸せに対する欲求について考えないようにしていたのかもしれない。

様々な状況を経てそれまでの時間で膨れ上がったその思考は限界ぎりぎりまで張り詰め、自分でも気づかぬうちに、静かに破裂した。

 

その時私は幸福に関する感情を失ったのだ。


 

 

 

 

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