青信号にて待つ。

老犬

第1話

なんだか妙に暑い夏の終わりの日、久しぶりに熱中症での死者を丁寧に報道するニュース番組を見た。

別にどこかの誰かが熱中症に倒れたところで普段の習慣は変わることもなく私は公園まで散歩し、特に木陰でもないベンチにただただ腰掛けこれからの事を考えていた。

朝起きて申し訳程度に散歩し、それ以外は何の変化のない日々。

ただ、

「今日くらいは夜に散歩してもいいか」

と、なんとなくそんな事を考えながら汗ばんだシャツで額の汗を拭い、ゆっくりと帰路についた。

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