もしも

勝利だギューちゃん

第1話

私は、歴史が嫌いだ。

日本史も嫌いだが、世界史はもっと嫌いだ。


確かに、忘れてはならない過去もある。


でも、昔の事なので、そっとしておけばいいと思う。

それに、ころころ変わる。

そのたびに、覚えなおさないといけないので、大変だ。


今は、正しいとされている過去も、何年か後には、修正されている可能性が高い。


お父さんが言ってた。

今当たり前とされている、足利尊氏や武田信玄と、お父さんが習った頃とは別人だと・・・


写真もない時代、当たり前かもしれない・・・


でも、だからこそドラマ性があり、そこが好きな人は好きなのだろう・・・


でも、明日はその日本史のテスト。

私は捨てている。

なので、寝よう・・・


お休み・・・


もうひとつの、国語は得意だ・・・


「起きろ」

グーグー

「これ起きろ」


だれ?私の眠りを妨げるのは・・・


「ようやく、起きたか」

そこには、お侍さんがいた。


「だれ?」

「わしを知らぬのか?」

「うん」

「わしは、織田信長だ」

「あっそ・・・」


私は眠りにつく・・・


「こら、話をきけ」

「何?」

「最近の若い者は、礼儀を知らぬ。まあいいが・・・」

「で、何の用?」

「その方に頼みが合ってな」

「歴史を解明しろは、お断りします」


さあ、寝よう。


「違う。そうではない」

「なら、何ですか?」

「その方、国語は得意じゃな」

「ええ」

「なら、わしの物語を書いてくれ」

「物語?」

この人は、何を言ってるの?


「いくら、おぬしでも本能寺の変は知ってるな」

「うん」

「なのでもし、わしが助かっていたらどうなったか、もしもストーリーを書いて欲しい」

「なんで、私がですか?」

「いいから頼んだぞ」

勝手に決められても・・・


「ところで、信長さまとやら・・・」

「なんじゃ」

「話に聞いていたのとは、性格が違う見たいですね」

「歴史はあてにならぬが、お主の信条じゃろ?それに、あの世でまるくなった」

「そうですか・・・」


朝が来た。

やはり夢だったようだ。


さあ、テストだ。

日本史は捨てている。


適当に書いておこう。


やはり、難しい。


で、最後の問題に驚いた。


「もし、歴史が変わっていたら、どうなっていたかを、書け」


何これ?

ふざけてるの?


まあ、いいや

書いてみよう。


「織田信長は、本能寺の変のあと、助かって海に渡り・・・」


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もしも 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu

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