物騒な家族会議

さて。


「どうするよ?」


第何回目からわからないカサン家家族会議(ウィルを除く)である。

全員が休みで時間をとれるまで少し日が開いた。


「どう考えても胡散臭いよねー」


最初に口を開いたのはフィオナ。

全員が思っていたことをまず最初に口にしたような形だ。


「そりゃそうだな。マリオットの話を聞く限り、帝国が破滅の方向に向かってるのは確かみたいだけど、なんでこのタイミングで王国を頼ろうと思ったかだよな」

「どうせキリシュじゃないの? あの子帝国に半年くらい行ってた時期があったからそれで仲良くなったんじゃないかしら」


確かにキリシュライトとマリオットの間に何か縁があるような感じはしたが、留学してたのか。

よりによって帝国に。

命知らずだな。

よく生きて帰ってきてるな。


「国内でおいそれと話せるような内容じゃないし、頼る相手としては間違ってはいないんだろうけど……」


一歩間違えれば自分が処刑されるだけである。

簡単に漏らしたりはしないという信頼があるからこそキリシュライトに話を持ってきたんだろうが。


「あの山のような書類を見ていないから、詳細は知らないままだけど、現時点での考えを聞かせて欲しい。この革命は成功すると思うか?」

「しないわ」

「しないだろうねー」

「しないと思います……」


うん、俺も無理だと思う。

とりあえずここまでは共通見解か。


「問題は国民の意識よね。帝国のやり方がのちの世界でどう評価されるかは知らないけど、今を生きる人たちがおかしいと思っていないのなら革命は簡単には成功しないわ。いつだって国を形作るのは国民なのだから」


「な、なによ……」


自分が放った言葉に静まり返る3人にたじろぐアン。


「いや、アンって王女なんだなぁって……」

「なによその感想は!」

「間違えた。国民想いの王女なんだな」

「王女なんだなって感想が気に食わないわね……」


それはともかく。


「とりあえずは難しいよな……。そもそもさ、王国では革命は今までなかったらしいけど他の国だとどうなんだろうな。諸国連合のは革命というよりは内乱からの対外への戦争だからな。聖王国もそんなこと起こってるイメージ無いし」

「さぁ? そう簡単に他国にそんな情報漏らしたりしないだろうし」

「フィオナ」

「あるにはあったけど、あくまで一部の民衆の動きで大きな騒動になる前に鎮圧されてるねー。帝国は国家と民衆の力の差が大きすぎるからねー。正直、今回のも関わらない方がいいんじゃないかと私は思ってるよー」

「ちなみに鎮圧って?」

「虐殺に近かったとは聞いてるねー」


お腹痛くなってきた……。





[あとがき]

今回もサボったなぁ……。


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