仲介料

「やっぱり郊外しか無理そうだな」

「街中に大きなものを建てられるような作りになっていないもの。ただ、何か欲しい建物が出来た時に簡単に作れるという利点はあるわね」


通う生徒の負担を減らそうと最初は街中に分校を建てようとしていたが、土地の問題からどうしても無理だと分かった。

校舎はともかく、訓練場の土地まで確保しようとなると街並みを大きく変えなければならないので、流石にそれはやめておこうという話になった。


「多少無計画に建てても文句を言われることもないしな」

「何言ってるの。完璧に建てるに決まってるでしょ」


げんなりとした顔をするライヤ。


「当たり前でしょ。学園のようにしたいわけ?」


実は王国のアジャイブ魔術学校。

校舎が足りなくなるたびに増築を重ねていたようで校舎の並びがまちまちなのだ。

生徒からはわかりにくいと苦情が出ていたりするのだが、今さら変えられないと言い張っていたりする。

元々貴族用の学校だったのが徐々に平民にも門戸が開かれ、生徒数が爆増した結果らしいが、そんなこと想定のしようがない。

今後食料革命が起きて子供の数が増えて校舎の数が足りなくなった時のために多く校舎を建てておこう、と同じくらい馬鹿馬鹿しい。


「想定はほどほどにな。一応、国庫から費用は出してもらってるんだから」

「わかってるわよ。それに心配せずとも、あまりにもな金額になったらお父様が止めると思うわ」

「それもそうか」


どうか王様、賢明な判断を。


「金額以外にも、早く着工してくれよ? いつまで青空教室をやらせる気だ」

「開放的で存外悪くないって言ってたじゃない」

「もうあきた。それに、雨の心配をするのが面倒だ」


雨が降ったらニキーナかヴィヨンに頼んで屋根を作ってもらっているのだが、どちらに頼むにしろ消耗してしまう。

結果、授業中の事故への対応が遅れるため他のライヤやヨルに負担がかかる。

教師たちは皆今までにないほど晴れを願っていた。


「頼むから、一棟だけでも早く作ってくれ」





「俺たちもそろそろ家を決めないとな」

「分校が町はずれにできるなら、そっち側にしたいですね」

「寮も学校の近くになるだろうしねー」


分校のおおよその場所が決定したため改めて自分たちの家の選定に来た3人。

しかし、町はずれであるために土地は余っているが、家まではなかった。


「早めに頼まないと多分職人がいなくなるだろうな」

「分校づくりに人手を取られるからですね」

「むしろ直接職人に頼みに行った方がいいかもな」


仲介料をケチってやろうという算段である。





[あとがき]

遂にvalorant世界大会best4まで来ました!

みれませんでしたけど!


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