捕食者
テスト前最後の週末。
アン、ウィル、ヨルが外出しているので家にいるのはライヤとフィオナのみ。
「あら~、結構溜まってるわね~」
「うん……」
「綺麗にしましょうね~」
だからといっていかがわしいことに勤しむこともなく。
健全にライヤはフィオナに耳掃除をしてもらっていた。
いつぞや行った駄菓子屋に久しぶりに訪れたところ、耳かきが新商品として売り出されていたのだ。
もはや駄菓子屋とはという感じではあるが、ありがたいことには違いない。
それもこの新商品、わざわざおばあさんが監修して納得のいく出来のものが出来るまで秘匿していたらしい。
その資金源はどこから来るのかと思ったが、どうやら後ろにどこぞの貴族がいるようだ。
その貴族の力を借りて駄菓子などの製造もおこなっているらしい。
おばあさんの目的は日本からの転生者を見つけることと、お客さんとおしゃべりをすることで、利益を上げることではないので利害が一致したらしい。
そんなことは置いておいて。
「ふぅぅ……」
「気持ちいい~?」
何を隠そう、ライヤは耳掃除が大好きである。
単語帳を見ながらでも片手間で出来て、必要なのは耳かき一本だけ。
受験生時代はとにかくお世話になって、やりすぎで耳鼻科に連れて行かれたこともある。
自分でもできるが、見えない分怖さもある。
その点、他の人にしてもらうほうが安心できるし、その相手が妻ともなればその気分は格別である。
アンでもヨルでもないフィオナだからこその膝枕の気持ち良さがある。
「それで、耳掃除だけでいいの?」
「え?」
耳掃除を終えたのだろう。
耳かきを脇に置き、灯りに反射して輝く金髪を耳にかけ、ライヤの耳元でフィオナが囁く。
「もっと気持ちいいこと、しよ?」
「……いや、ダメだ!」
一瞬誘惑に負けそうになったライヤだったが、我に返って飛び退く。
「ヨルが済むまではダメだ! そのはずだろ!?」
あまりの反応に少しびっくりしたようなフィオナだったが、妖艶な笑みからいつもの朗らかな笑みへと戻る。
「わかってるよ~。ちょっと試してみただけだって~」
「本当か……?」
「ほんとほんと~」
だがライヤの本能はそうは言っていなかった。
「このままじゃ喰われる!」と思ったからこその飛び退きである。
「でも、気が変わったらいつでも言ってね~?」
「狙ってんじゃん」
油断も隙もない。
[あとがき]
何するにしても時間が足りない。
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