開幕
号令が鳴り、各地で各クラスが動き出す。
「とりあえずは前進します」
S・F
他のクラスも端からスタートするクラスがほとんどなので前進からスタート。
代わり映えしない映像が観戦会場に送られている中、既に動きのあるクラスがあった。
「うわあぁぁ!」
「落ち着いて! そんなに騒ぐ傷じゃないわ!」
A・E
彼らは範囲の真ん中あたりからスタートしている。
担当の教員が生徒たちと魔物の間に土壁を築いていたから襲われなかっただけであり、姿を確認すれば寄ってくるのは当然だ。
「だから真ん中は嫌だったのに!」
ケガをした生徒をかばいながら女の子は歯噛みする。
教師の方をちらりと見るが、手を貸してくれる様子はない。
それもそうだ、これは体育祭。
競技の場であり、彼らは審判員なのだ。
「うちの子は大丈夫なんですか!?」
「ご安心ください。大怪我につながるような場合には教員が助けます。ただし、その場合はそのクラスにマイナスポイントが与えられるのでよほどの場合に限ります」
会場では親たちの阿鼻叫喚の嵐。
親たちも魔物討伐というものを正しく理解していなかったのだ。
なまじ昨年に平和的な体育祭を見ている分、その延長線上のものだと考えていた。
「うちの子を戻してください!」
「それはできません。そういう誓約書を書いていただいたはずですが?」
実際に魔物討伐の様子を目にすれば中止を願う声が多くなることも予想していた王国は誓約書も用意していた。
「生徒たちも覚悟を持ってあの場に立っています。見守ってあげましょう」
『立って! お互いに守り合えばそんなに恐れる相手じゃないわよ!』
会場に響く1人の少女の味方を鼓舞する声。
怪我した者を見捨てず、先頭に立って魔物の相手をするその姿に親たちは目を見張る。
確かに、覚悟を持ってあの場にいる者たちはいるのだろう。
『うわあぁぁ! 助けてぇ!』
しかし、会場に映し出される自分の息子たちにはそんな覚悟が備わっていないように見えてしまうのだった。
[あとがき]
昨日だせずにすいませんでした!
がんばって今日2話出します!(たぶん)
ここまで読んで頂きありがとうございます!
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