準備完了
「さて、体育祭も明日に迫ったわけだけど。一応、どういう方針か聞いておこうか」
初日以外は関わってこなかったライヤは生徒たちがどんな準備をしてきたのかをあまり知らない。
午前中だけとなった授業中に他のことをあまり聞くわけにもいかない。
「当初の予定通り、複数の班に分かれてそれぞれ各個撃破を目指します。草原の魔物が群れることはほぼ無く、複数で行動していても2匹が精々。その班だけで討伐できずとも、他の班が間に合うだろうという試算です。したがって、互いの班は一定の距離を保って行動することになります」
「その情報の根拠は?」
「図書室の資料を参考にしました。魔物の討伐記録がありましたので」
「正解だな。参考にする資料としては最大級に信用できる」
ウィルからゲイルに言葉が引き継がれる。
「それなりの数の班が作れるようになったので、二列横隊で行こうと思います。二列目は前の列の班同士の間に入る形でバックアップを中心に動きます。前列の班にけが人などが出た場合に即座に交代できるようにします。また、一列目の班と二列目の班は適度に交代して一つの班の負担が大きくなり過ぎないようにします」
「討伐方法は?」
「各班に任せていますが、俺のところは俺を中心として牽制して、前足を中心に狙います。傷をつけてこけたところを斧持ちの一刀で仕留めます」
「そうか……。ちゃんと準備できているみたいだな」
「油断とは違うと思いますが、自信はあります」
「それはどういう意味でだ?」
「無事に体育祭を乗り切れる自信と、優勝できるという自信です」
ライヤはクラスの面々の顔を順にみていくが、あのシャロンでさえ頑張ろうという気概が見える。
約2名、エウレアとマロンはいつも通りで読めないが。
「F
「大丈夫です。皆さん今年こそは優勝だと頑張ってくれています」
去年悔しい思いをしたのはS
そこの意思統一が出来ているのは大きい。
「……ちなみにマオは?」
「マオさんにはよく働いてもらっています」
「……うん?」
ウィルの笑顔に何かどす黒いものが映った気がする……。
「そうそう、先生。ウィルはさ、マオに迷惑ってことを伝えたうえで、命令に従うなら使ってやるって言ったんだよ」
「命令だなんて人聞きの悪い。あくまで指示ですよ」
「それで、マオはなんて?」
「質が悪いことに、迷惑と言われたことに対してすらなんか恍惚としてたな」
「いいじゃないですか。良い子分が手に入ったと思えば」
「子分って言ってるぞ」
「あら、失礼」
余計に拗れてないか……?
「今年は普段と形式が異なりますが、皆さんが目指すのは同じ、優勝です! 学園外だからと言って普段と違う事をする必要もありません。普段道理の実力を皆さんが発揮して、良い体育祭となることを期待しています」
王都のすぐ外に設けられた特別ステージ。
学園長の挨拶があり、各クラスが自分の指定された方へと歩いていく。
集まった家族たちの声援を受けて。
「なお、各クラスの様子は会場中心の映写機によって映し出します。都合上、1クラスずつしか映せませんが、できるだけ各クラスを移すようにいたしますのでご理解のほどよろしくお願いいたします」
準備は終わった。
体育祭が始まる。
[あとがき]
麻雀の楽しさがわかってきた。
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