混乱
「先生、ご婚約されたとか」
「あ、はい。そうですよね」
登校早々に授業をそっちのけで学園長室に呼び出された。
言われてみれば、それはそうである。
職員の扶養などが変わるのに学園に報告しないでいいわけがない。
「教職は続けて下さるという事でよろしいですか?」
「はい、是非。皆とも既に話はつけてあります」
「もう先生も貴族ですからね。多妻に関しては特別言及することは無いのですが。数とその面子が凄いですね」
「面子って……。まぁ、そうですね。幸運にも」
「ウィルさんは公にはしないという事でよろしいのですね?」
「はい。焼け石に水とは思いますが」
ライヤと共に住むにあたって、フィオナの実家から家を貰うことになっている。
その家に常に住む予定なのはライヤとフィオナ、ヨルだ。
王女組はそう簡単に外泊が許されない。
アンはともかく、現在10歳のウィルは特に。
だが、夕食などには同席する予定なので普通なら考えられない回数家を出入りするだろう。
一部の貴族には王様から話があるだろうが、それ以外の貴族や平民にも噂が出回るのは時間の問題だろう。
「ですので、公的にはウィルだけまだ認めない方向でお願いします」
「もちろん、教師と生徒のプライバシーは私が責任をもって守るわ。学外はお願いね?」
「当然です」
「先生! ウィルと婚約したってどういうことだ!? ……ですか!?」
なんで知ってんだ。
「ごめんなさい。我慢できなくて話しちゃいました」
てれてれ、と顔を赤くするウィル。
おいおい……。
「ゲイル、それからみんなも。これ言ったらまずいからな?」
「聞かなくてもわかる、ます! アン王女だけなら良かったのにウィルまで……」
わかります、その気持ち。
「ヨル先生とフィオナさんもですよ」
「4人!?」
ゲイルが大きな反応をするから他の皆は驚きながらも声が出ないという様子。
エウレアはいつも通り無表情だが。
!?
マロンの糸目が開いてる!?
それ開くのか!
「フィオナさん……」
そして、同時に恋敗れた生徒が1人。
ミリアリアに浮気(?)していたとはいえ、わざわざ個人的に訪ねるほどに積極的であった。
その勇気をたたえ、デラロサの次の恋を応援したい。
「まぁ、そんな感じだから。授業するか」
「それどころじゃない!」
本日もS
[あとがき]
新年あけましておめでとうございます。
今年もちまちまとやっていければと思います。
ここまで読んで頂きありがとうございます!
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