会議
「俺の話は以上です……」
パチパチパチ……。
ウィルとヨルからの乾いた拍手。
何だこの苦行……。
「それで、あなたたちはこの話を聞いてどう思ったの?」
疲労色濃いライヤをさておいて、女性陣だけで話が展開される。
「凄いと思うよー? 貴族側の目線からすれば絶対に出ない視点だしねー」
「私も、凄いと思います! そういえばライヤさんがなぜ先生になったのかなんて聞いたことなかったですし……」
「私は自分たちの担任にライヤ先生が来てくれた幸せを今噛みしめています……」
「そんなおだてられると照れるんだけど……」
べた褒めである。
「で、最後の一言聞いてどう思ったの?」
「「「許せない」」ね~」
「あ、あげて落とすタイプ?」
一転、皆の目つきが怖い。
「意見が一致したようだから私が代表して言うけど。ライヤ」
「はい」
「そんな大それたこと自分一人で出来ると思ってるの?」
「いやぁ……」
具体案などないのでその答えにすら窮する。
「そもそも、学校の制度に不満があるなら教師になるより国側の人間になった方が早かったでしょうに。もちろん、平民であるライヤがどこまでいけるかは置いておくとして、一般的な話ね?」
「……確かに」
学校運営について決めるのは日本でも公立であれば地方公共団体だ。
もっといえば、教育委員会。
つまり、王国で言うところの国に仕えているどこかの部署だろう。
アジャイブ魔術学校が国立である以上、そうなっているのが当然である。
今思えば俺とち狂ってる?
いや、俺には夢があったからそことの差し引きでトントンで……。
「で、考えが変わらないかどうかですって? 変わるに決まってるでしょう! 人間なんだから!」
「えぇ……?」
なんか予想してなかった怒られ方してる……。
「問題は、その考えの変わり方が正しいものかどうかでしょう? それこそ貴族社会にもまれて考えが変わったとかなら悪い例だし、教えていくうちに大規模な改革じゃなくて十分って気づいたとかなら良い例でしょ?」
「そうだな」
「でも、それって自分じゃ気づきにくいわよね!?」
「そうだな」
「だから、私たちが一緒に背負ってあげる!」
ドヤァというサウンドが聞こえてきそうな見事などや顔をかますアン。
「……つまり?」
「私たち全員まとめて娶って頂戴ってことだよ~」
ライヤの背中にのしかかるフィオナ。
豊かな双丘の感覚がライヤを襲う!
「話が飛躍しすぎてません?」
「そうでもないよ~? 元から私たちは言ってたしね~」
「なんでここに至って結託してるんですか……。特にアンとウィル」
最大限いがみ合っていたはずでは?
「先生のそんな立派な動機を聞いたらそんないがみ合いなんて吹き飛びますよ……。一旦ですが」
「休戦協定よ。この機会を逃せないっていうのはここにいる全員の総意なの」
「……メイドさんも?」
「アン様にお手付きがありませんと私まで順番が回ってきませんので」
「さいですか……」
難儀である。
「まとめると、なんだ。全員まとめての求婚ってことか?」
「違うわ」
「あ、はい、そうですよね……」
調子乗ってすみませんでした……。
「勘違いしてそうだから、ちゃんと言ってあげるわ。私たち全員に求婚する機会を与えているのよ」
「はい?」
「この機会を逃したら知らないわよ?」
あー、なるほど。
俺も含めて一世一代の機会ってことか。
言われてみれば。
年齢的にアウトなのも混ざっているのを置いておけばこれほどまでの美女たちに揃って行為を向けられており、ハーレムを許容されているという状態など、普通はあり得ない。
おっけー。
俺も覚悟を決めよう。
「みんなヨルの部屋に行ってもらっていいか? 一人ずつ呼ぶから」
ただ、男として。
大切なことは一人ずつ伝えたい。
[あとがき]
賛否両論あるかと思いますが、これが僕のお話しです。
ここまで読んで頂きありがとうございます!
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