第3話 脅迫状出しちゃお!

 また同じ事が起きたら困る。

 まずは家族に、お兄ちゃんの危機を知らせて協力を得ないと。

 私はジャージの胸元をキュッと掴み、文章を考える。なるべく怖い感じに。


「なんか玄関ポストに変な手紙が入っていたのよ」


 お母さんが不思議そうに呟く。


「変って?」

「消印が無いのよ、誰かが直接入れたみたい」

「えー怖い。何書いてあったの?」

「アキラを家から出したら殺すって。いやねえ、警察に提出した方がいいかしら」


 お母さんはしばらく悩んでいたが、近所の子のイタズラと判断して捨ててしまった。

 犯人探しをされないのは良かったけど、もう少し危機感を持って欲しい。

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