第5話 お節介おばさんは帰ってどうぞ

 軽快なチャイムの音色。

 扉を開けると声が大きいおばさんが入ってきた。世間話をしながらリビングにあがる。


「アキラ君ね、いつまでも引きこもってちゃいけないと思うのよ。だから学校案内持ってきたの」

「はあ」

「人間が苦手なら、山奥で動物達と触れ合ってみるのはどうかなって」

「あの」

「聞く耳持たないって言うんでしょ?大丈夫。伯母さんに任せなさい」


 まずいまずい。

 お兄ちゃん動物好きだからホイホイされてしまう可能性がある。何とかしないと。

 私は急いで外に出て、庭から石を投げつける。ガシャアンと大きな音を立てて窓が割れた。


「キャアア!何、痛い!」


 当てるつもりは無かったけど、タイミングが悪かった。おばさんの膝にクリーンヒットしてしまった。

 見つからないように急いで家に入る。


「伯母さん、大丈夫!?」

「こういう事ってよくあるの?アンタ達大丈夫なの?」


 傷の手当てを受けながら、おばさんは顔を真っ青にして尋ねた。青アザが腫れ上がっている。


「実は、変な手紙が」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る