目の中の世界

@mitua

第1話 変

2月の大雪が降った日の朝方産まれたみたい。緊急帝王切開で。

何キロだったか、何センチだったか聞いた事ある様な気もするけど覚えてへん。

そもそも、それらを確認する母子手帳もエコー写真すらももう無い。

小さい時の写真は見た事有るけど見た事あるだけで特段記憶にめっちゃ残ってる写真ってのも無いし、もう多分焼かれて塵になってるやろうから現実に存在したものなんかすらも怪しい。

母が言うには、育てやすい子やったらしい。

3時間おきぐらいに泣いて知らせてくれて

リズムが付くと1人で遊んでたりして夜泣きも無かったって。

離乳食もすんなり始められたらしい。

年子で弟も居るけど、赤ちゃん返りとかも無くて楽やったって。

ここまでは当然記憶に残ってない。

母親はペラペラ喋るから聞いた事有るけど

父親はそういう事喋らんし寧ろ聞くことも無いからしらん。

でも、幼稚園以降の記憶は断片的にも含めて覚えてる事は多い。

幼稚園の時は、とにかく雲梯をよくしてた。

1個飛ばしとか、雲梯ではしこっに渡ったら上に登って端っこ迄いってまたぶら下がってってしたり。

チビやった上に幼稚園の年少で身長も当然低いから雲梯と地面までの距離はそこそこある。

落っこちた事もあった。

強く打ったかなんだか、呼吸がしずらくて痛くて落ちた状態のまま動けんかった。

その後年長さんが大丈夫?って来てくれたような気がしてるけど、よく覚えてへん。

後は泥団子作ったりプールしたり。

保育園ではプリキュアごっこ。

男の子に混じっておにごっこ。

大人数で家族ごっこ。

チビやからやっぱり役は赤ちゃんとかばっかり。

ばぶーばぶーって。

同い年のお母さん、お姉ちゃん役の子に

よしよ〜しってあやされてるだけ。

適材適所ってやつかな。

まぁ、あかちゃんって小さいからな。


珍しいかはわからんけど、わりと周りの子達が持ってたメルちゃんやポポちゃん、シルバニアファミリーとかリカちゃん人形とかって買ってもらった事も無くて、寧ろ欲しいってねだった事も無くって、保育園に置いてある

そういう人形に何故か触るのが嫌やった。

それでは遊べへんってずっと思ってた。

戦隊モノや仮面ライダーの玩具では遊べるのに何故かそういう人形の玩具だけが無理やった。

汚い。って何故か思ってた。

やから、無理やり遊ばされそうになった時は

顔やら腕やら回る部品の所は反対向けたり後ろ向けたり、服を着せずにしたりして

友達に半嫌がらせ的な事をして回避してた。

それぐらい嫌やった。

今でも変な汚いって感情と抵抗がある。


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